著者
中村 栄治 小池 則満
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.24, pp.23-24002, 2023 (Released:2023-12-04)
参考文献数
9

大規模地震が発生した場合,名古屋駅周辺地区において,対向人流の交錯による人流交通の閉塞を防ぐための対策として,主要な徒歩による帰宅経路となるすべての歩道を一方通行化することの有効性を,シミュレーションにより量的に評価した.地震による停電により交通信号は無灯火となり,横断歩道では車両より歩行者が優先して通行する条件でシミュレーションを行った.当該地区の都市再生安全確保計画で記された徒歩帰宅者数を基準値とした場合,基準値の 6 倍までの徒歩帰宅者数であれば,一方通行化した避難経路においては人流交通の閉塞を防ぐことができることが明らかになった.この上限値は,歩道上の花壇や建築物による歩道の狭窄,および人流の合流により決まることがわかった.