著者
中村 綱雄
出版者
拓殖大学
雑誌
経営経理研究 (ISSN:02878836)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.121-154, 2000-03-30

日本に開国を要求したのが旧世界の外交に批判的であった米国であったということも幸いし, 日本は幕末から明治にかけての内政改革を成功させることができた。日米両国はやがて通商面で深い関係を築く。条約改正交渉も米国は他国に比べ好意的であった。日清戦争後, 政治面では両国間には若干の波風が立つが, 第一次大戦後はワシントン体制の協調的関係に戻る。この間, 経済面では両国は通商・資本関係において緊密度を深める。満州事変以後は米国の対日貿易政策は厳しいものとなるが, 経済制裁に踏み切るのは1940年以後となる。そして日本は戦後再び米国による「開国」要求を受けることになる。