- 著者
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小原 博
- 出版者
- 拓殖大学
- 雑誌
- 経営経理研究 (ISSN:02878836)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, pp.1-18, 2003-02-15
歌舞伎十八番のうち「外郎売」は,「ういろう」を売りさばきながら,仇討ち相手を探すという筋立てで,セリフの中に,商品名,商品の効能を分かり易くしたコピーを仕込んでいる。ういろうは当初万能薬として、またその後に和菓子名ともなって,広汎に普及したが,その名称について,ブランド資産保護の立場から,最近になって裁判になった。しかし誰もが知っている菓子の名,いわば普通名詞と常識的に認知されている現状で,固有名詞であると主張をした原告は敗訴した。ういろう(外郎)を課題とした時,ブランド管理はどうあるべきなのか,また,裁判事例からは「庇を貸して母屋を取られた」のか,「マーケティングに秀でたものが勝った」のか,興味ある関係がみられる。