著者
鶴田 茂之 木下 健太郎 中林 竜也 岸田 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.93-97, 2011-04-11

新規の不揮発性メモリやスイッチング素子として期待されるCB-RAM (Conducting Bridge Random Access Memory)において,従来用いられてきた固体電解質をCMOSプロセスへの親和性の高い酸化物に置き換えた場合でも類似のスイッチング現象が生じることが報告された.しかし,酸化物を用いたCB-RAMのメモリ特性に関する報告はまだ少ない.本研究では,Cu/HfO_2/Pt構造の電気特性及びデータ保持特性を評価した.バイポーラ型の抵抗変化が確認され,動作電圧は±1 V程度と固体電解質系のCB-RAMに比べて高く,ノイズマージンの確保に十分な値が得られた.データ保持エラーは主に低抵抗が高抵抗に変化することで生じることから,熱拡散による金属フイラメントの断裂がエラーの主要因と考えられる.低抵抗状態の抵抗が低いほど,即ち,フィラメントの太さが太いほどエラーが起こりにくいことも示された.