著者
齋藤 昇 中浦 将治
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.215-225, 1999-03-20
参考文献数
14
被引用文献数
10

コンピュータを利用した個別学習支援システムの開発に際しては,個々の学習者の学力に応じた問題をどのように選定し,与えるかが重要である.そこで,本研究では,学習者の学習の進捗状況を評価し,次時点に与える最適な問題レベルを選定する新しい方式を以下にしたがって開発した.1)問題の回答に対する部分点の数値化の手法.2)得点の変動傾向を計量化する手法.3)得点の変動傾向を算出する際,現時点からいくつ前までの得点データを使用するかを決定する使用得点データ数打ち切り方式.4)平均点に得点の変動傾向を加味して総括評価値を算出する手法.5)総括評価値に基づいて,次時点に与える問題レベルを選定する手法.最適問題レベル選定方式は,ファジィ理論を利用しており,次の特徴がある.(1)得点の変動傾向を算出する際,得点のゆれを加味できる.(2)個々の学習者の学力に適した問題を選定し与えることができる.