著者
岡田 真平 齋藤 昇 澤井 和彦 出町 一郎 上岡 洋晴 武藤 芳照
出版者
身体教育医学研究編集委員会
雑誌
身体教育医学研究 (ISSN:13456962)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.11-31, 2000 (Released:2009-04-16)
参考文献数
39
被引用文献数
1

The purpose of this research is to find out if there is a relationship between children's mind and everyday-life actions centered on playing.A questionnaire was handed out to the students above grade 3 and their parents of I school (Kanagawa prefecture) and K school (Nagano prefecture) on the children's everyday-life and their mind. The results were sorted out by sex and place into four groups: I school male, K school male, I school female, and K school female. Considering the difference in place and sex, the results were analyzed using the quantification theory type III and the relationships were examined.The patterns of children's everyday-life activities centered on playing was similar in each group even though the numbers of each activity differed among each place. The patterns were simplified to “playing inside⁄outside” “many⁄few friends” “contact⁄no contact with media” “yes⁄no conflicts”. The change in pattern according to grade was seen in all groups except for boys of K school. Through examinations of activity pattern and mind, the following relations were identified; “self-evaluations on exercise,” “self-evaluations on health,” “the level of irritation,” and “frequency of outbreak⁄strike.” From the results, there was no simple relation between the place children play (in⁄out) and their mind such as irritation and outbreak. This shows that when dealing with children's mind and body, it is effective to observe children's general everyday-life on a wide range scale.
著者
アビナワント 島田 清司 齋藤 昇
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.158-168, 1997
被引用文献数
19

非ステロイド性アロマターゼインヒビター(AI, Fadrozole)の鶏性腺分化に及ぼす影響を検討した。孵卵5日目に単冠白色レグホーン種受精卵にAI(0.1mg)を投与し,孵化した雛を10ヶ月齢まで育成した後,(1)性転換しなかった雌,(2)遺伝型は雌で表現型が雄に性転換した雌,(3)AI効果のなかった雄,の三群に分類した。(1)は正常卵巣&bull;卵管の発育が左側にのみ観察され,(3)は正常精巣の発育が左右両側に観察された。(2)は遺伝的には雌(W特異的DNAプローブによるDNA性鑑別)であるが,表現型が雄性で性腺は正常精巣より小さいが両側に発育していた。この精巣には正常と同じように精細胞,セルトリ細胞,間質細胞などの存在が観察されたが精細管の内腔はほとんどないものが多く,精子数も極めて少なかった。また,卵管も発育しているが,正常と同様交尾行動を示した。性転換雌の血中テストステロン及びエストラジオール濃度は遺伝型及び表現型とも雄,あるいは雌の血中濃度の中間値であった。性腺P450<sub>C17ヒドロキシラーゼ</sub>mRNA量は,遺伝型雄の方が遺伝型&bull;表現型共に雌や性転換雌に比べて高かった。一方,性腺P450<sub>アロマターゼ</sub>mRNA量は,遺伝型&bull;表現型共に雌の方が性転換雌や遺伝型雄よりも高かった。この結果から,用いたAIによって,性転換鶏のP450<sub>アロマターゼ</sub>mRNAの発現低下,エストラジオール濃度の低下が起こったが,P450<sub>C17ヒドロキシラーゼ</sub>の遺伝子発現と血中テストステロン濃度が正常雄に比べて低いため,性腺が正常雄の性腺サイズまでには十分に発育しなかったと考えられる。
著者
秋田 美代 齋藤 昇
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.55-63, 2011

In this paper, we clarify the inhibitory factor of flexible idea in present mathematics instruction. And we propose the problems of making a student's flexible idea. We analyzed the inhibitory factor using an achievement test and a creativity test about the area of the figure. As a result, we found that the learners have functional fixedness in the mathematics problem solving. We call it "Temporary plateau of thinking in problem solving". We made two kinds of problems of breaking out of the "Temporary plateau of thinking in problem solving", problem which put restrictions on the solution and problem which required that many methods should be considered. We compared the usual problem with the problems of breaking out of the "Temporary plateau of thinking in problem solving". The results are as follows. - When compared with the usual problem, the problems of breaking out of the "Temporary plateau of thinking in problem solving" made many flexible ideas. - When compared with the usual problem, the problem which put restrictions on the solution was still difficult for students. - If the teacher gives appropriate teaching, the students can break out the "Temporary plateau of thinking in problem solving".
著者
齋藤 昇 中浦 将治
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.215-225, 1999-03-20
参考文献数
14
被引用文献数
10

コンピュータを利用した個別学習支援システムの開発に際しては,個々の学習者の学力に応じた問題をどのように選定し,与えるかが重要である.そこで,本研究では,学習者の学習の進捗状況を評価し,次時点に与える最適な問題レベルを選定する新しい方式を以下にしたがって開発した.1)問題の回答に対する部分点の数値化の手法.2)得点の変動傾向を計量化する手法.3)得点の変動傾向を算出する際,現時点からいくつ前までの得点データを使用するかを決定する使用得点データ数打ち切り方式.4)平均点に得点の変動傾向を加味して総括評価値を算出する手法.5)総括評価値に基づいて,次時点に与える問題レベルを選定する手法.最適問題レベル選定方式は,ファジィ理論を利用しており,次の特徴がある.(1)得点の変動傾向を算出する際,得点のゆれを加味できる.(2)個々の学習者の学力に適した問題を選定し与えることができる.
著者
服部 勝憲 齋藤 昇 秋田 美代
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

学部学生の算数科カリキュラムのとらえ方は,「各学校の算数科教育計画・指導計画」が31.8%,「算数教育の計画,授業,評価の総体」が30.8%,「学習指導要領に示された算数科の内容」が15.6%,「算数科の授業内容の全体」が14.2%である。以下「算数教育により子ども達が身につけたもののすべて」3.3%,「算数科の教科書に示された内容」1.9%と続く。また開発したカリキュラム編成の重点に関する尺度,評価実施の場面と時間に関する尺度,編成段階の評価と改善に関する尺度の評価尺度得点において,学部学生の得点が現職教員より高い結果が出ているが,単純に学部学生の方の認識が高いとは考えられない。今後これらの調査項目に対する理解の広さ・深さ,さらに学校現場におけるそれらの実施の困難さ等についての検討が必要である。さらに授業観を評価する10個の調査項目を用いて,授業観についての3つのタイプ,(1)教師主導・説明練習評価尺度得点が高いType-A,(2)2つの評価尺度得点がともに平均的な位置にあるType-B,(3)生徒主体・活動支援評価尺度得点が高いType-Cを抽出した。これらの観点から考察すると,小学校教員の場合は39.4%が,中学校教員の場合は,36.9%がType-A, B, Cとして抽出された。それに対して学部学生の場合は28.4%(全211名中)とかなり少なく,タイプとして見られるような明瞭な授業観を持つに至っていないといえる。また学部学生の場合,現職教員の場合に比べて,拡散的である。特に評価の場面や時間,及び評価の改善に関する評価尺度では現職教員の場合に比べて,かなり高い得点を示している。このことから評価とそれによる改善に関しての可能性についての期待を示している。このことからも,教員養成系学部において,望ましいカリキュラム観や授業観を育てていくための考え方やその展開のための教員養成カリキュラム(教育計画・シラバス)の開発とともに,一貫性のある教科カリキュラムに関する教育のあり方が重要なものになる。
著者
齋藤 昇 秋田 美代 跡部 紘三 村田 勝夫 佐藤 勝幸 今倉 康宏
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は,教員養成大学大学院の開発途上国への設置に向けての学術調査研究を行うことを目的としている。学術調査の結果,次のことがらが明らかになった。1 ラオスの教育大臣,教育省教員養成局長から,ラオスへの大学院修士課程設置について,国として歓迎するとの意向を受けた。また,ラオス教育副大臣から,具体的な設置場所について提案があった。さらに,設置について鳴門教育大学への協力要請があった。2 ラオスの小・中・高等学校の学校制度は,5-3-3年制である。ラオスの教員養成学校卒業生の就学総年数は,14年間である。ラオス教育省は,中学校を4年制に改革する計画を立てている。3 ラオスの教員養成学校(8校)理数科教員の学力及び授業実践力は,かなり乏しい。ラオスの理数科教育の質を高めるためには,教員養成学校教員の質の向上が必要である。4 ラオスの教員養成学校の施設・設備,特に実験装置,実験器具・薬品類は,皆無に近い。大学院修士課程を設置する際には,それらの設備の充実が必要である。必要な設備の例を列挙した。5 ラオスの教員養成学校教員の学位取得状況は,修士が16%で,博士が0%である。また,教員養成学校教員の100%が修士課程の設置を希望している。6 ラオスの教員養成学校及びラオス国立大学教育学部のカリキュラムを調査し,それをもとにラオスに適する大学院修士課程理数科コースのカリキュラム案及び履修方法案を作成した。7 大学院修士課程のラオスへの設置に際して,タイのコンケン大学から連携協力の申し出があった。それに基づき,連携した場合のカリキュラム素案を作成した。