著者
中澤 瞳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1261, 2014 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

私たち人間と同様に,マウスも初めて会った相手とそうでない相手を区別し,初めて会った相手に興味を持つことが以前から知られている.最近,遺伝子改変マウスの行動学的解析から,海馬のCA2領域が,この既知か新奇かを認識し,個体の違いを区別する社会性メモリーに非常に重要であるという興味深い報告がなされた.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Hitti L. F., Siegelbaum A. S., Nature, 508, 88-92 (2014).2) Kohara K. et al., Nature Neurosci., 17, 269-279 (2014).3) Wintzer M. E. et al., J. Neurosci., 34, 3056-3066 (2014).