著者
中田 康太 高木 健太郎 陶 亜玲
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.304-321, 2019-01-15

半導体製造における歩留解析では,製品の品質検査結果と各工程の処理履歴から不良の原因を特定し,対策に繋げることで生産性を向上している.半導体の製造プロセスから得られるデータは大量かつ複雑であるため,人手による歩留解析では作業に時間がかかることが問題となっている.本稿では,機械学習・データマイニングの技術を用いて不良の発生状況の可視化と不良原因装置の推定を網羅的に行う歩留解析支援システム「歩留新聞」について紹介する.歩留新聞はウェハ上の特徴的な不良の出現パターン(不良マップ)を自動で分類し,それぞれの原因装置候補を抽出する.不良マップの分類結果と原因装置候補を技術者に提示することで,不良1件あたりの解析時間を平均6時間から2時間に短縮した.ここでは,歩留新聞の概要とともに,コア技術となる深層学習技術について紹介し,製造現場における機械学習技術適用の課題とその解決方法について議論する.
著者
水岡 良彰 中田 康太 折原 良平
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

テレビ視聴者の長期的な視聴パターンの推移に関する調査・分析は,シーズンやイベント,ライフステージといった視聴者の長期的な習慣の変化を考慮した番組やCMの制作に有効と考えられる.近年のネットワーク対応テレビの普及により,ユーザの利用許諾を得たテレビ機器から視聴データの取得が可能となっている.本研究では,まず視聴パターンにクラスタリング手法を適用することで特定の期間から典型的な視聴パターンを抽出する.次に抽出した視聴パターンをテンプレート化し,特定の期間以上の長期間に渡ってテンプレートに合致するか判定する.さらに判定結果を再度クラスタリングすることで多くの視聴者に共通する視聴パターンの推移を抽出し,抽出した視聴パターンの長期的な推移を分析する.この推移は,長期間継続する習慣や習慣が変化したタイミングなどを一目で把握できるよう可視化して観察する.1年以上に渡る実データの分析結果を示し,本アプローチがテレビメディアの魅力向上に活用できる可能性を示す.
著者
中田 康太 芦川 将之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

音声データの収集は時間的・経済的コストが大きいことが知られている。本研究では、クラウドソーシングを利用した読み上げ音声収集により、安価かつ高速に音声データを収集する。また読み上げテキストと音響の情報を用いたフィルタを設計することで、正確な読み上げ音声データを自動抽出できることを示す。収集した音声の音声認識タスクへの応用や、ゲーミフィケーションの可能性についても報告する。