著者
布目光生 黒田由加 水岡良彰 森田眞弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.1-6, 2013-12-12

弱視者や識字障碍者でも読みやすいとされる DAISY コンテンツは,電子書籍端末や音声合成技術の普及により教科書などのコンテンツで徐々に広がることが期待されている.しかし,そのコンテンツ作成作業は,ボランティアベースで多くの時間がかかっていたため,エンドユーザが必要とする図書を,簡単に手早く作成することが困難だった.本報告では,こうした課題に対応するための音訳支援システムを提案する.音声合成技術の活用と,テキスト解析誤りに依存する読みやアクセント誤りの修正手段を Web アプリとして提供することで,視覚・識字障碍者のための朗読コンテンツを,音訳ボランティアや保護者・教職員などの作業者が簡単に作成できる環境の提供を目指す.また,従来の作業手順と比較し,本提案システムを活用した場合の作業期間に関する予備評価の結果についても述べる.DAISY content is expected to gradually gain popularity among the visually impaired according to the prevalence of e-book reading devices and the development of text-to-speech technology. However, the development of DAISY-formatted e-books, which is undertaken by volunteers, is a time-consuming process, making it difficult to meet the needs of end users. In this report, we propose a content transliteration system that can convert plain text to DAISY content including formatted HTML and audio data via automatic text-to-speech technology. Furthermore, using the GUI of the proposed system, users can correct text and accent information by inputting "ruby-type" data. Through this functionality, we aim to target support from transliterate workers such as volunteers, teachers, and parents to make and edit contents easily and quickly for the people with visually impaired. Finally, we present the results of a preliminary evaluation using the proposed method in order to compare it with the conventional method.
著者
水岡 良彰 中田 康太 折原 良平
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

テレビ視聴者の長期的な視聴パターンの推移に関する調査・分析は,シーズンやイベント,ライフステージといった視聴者の長期的な習慣の変化を考慮した番組やCMの制作に有効と考えられる.近年のネットワーク対応テレビの普及により,ユーザの利用許諾を得たテレビ機器から視聴データの取得が可能となっている.本研究では,まず視聴パターンにクラスタリング手法を適用することで特定の期間から典型的な視聴パターンを抽出する.次に抽出した視聴パターンをテンプレート化し,特定の期間以上の長期間に渡ってテンプレートに合致するか判定する.さらに判定結果を再度クラスタリングすることで多くの視聴者に共通する視聴パターンの推移を抽出し,抽出した視聴パターンの長期的な推移を分析する.この推移は,長期間継続する習慣や習慣が変化したタイミングなどを一目で把握できるよう可視化して観察する.1年以上に渡る実データの分析結果を示し,本アプローチがテレビメディアの魅力向上に活用できる可能性を示す.