著者
戸原 三郎 佐藤 至 中村 彰 中西 五十 佐久間 勇次
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.147-153, 1983-10-20 (Released:2011-06-08)
参考文献数
21

環境温度を22℃以下のA区と22.1~26.0℃のB区, 26.0以上のC区に分け, 6頭の育成豚 (平均体重29.74±5.41kg) を用い, CO2発生量とO2消費量, 呼吸商, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数を比較した。1. CO2発生量はA区が平均15, 64±3.39l/hrで最も少く, B区はA区より15%, C区はB区より18%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。2. O2消費量はA区が平均17.32±2.73l/hrで最も少く, B区はA区より4%, C区はB区より27%多くなり, 環境温度の上昇に伴い, 増加の傾向が認められた。3. 呼吸商はA区が平均0.91±0.12で最も少かったが, B区は増加しC区は減少しており, 温度の上昇に伴う一定した変化は認められなかった。4. 熱発生量はA区が平均6.51±1.11Cal/kg0.75hrで最も少く, B区はA区より23%, C区はB区より15%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。5. 呼吸数はA区が平均26.5±4.2回/分で最も少く, B区はA区より71%, C区はB区より120%多くなり, 環境温度の上昇に伴い急激に増加した。6. 心拍数はA区が平均111.3±7.6回/分で最も少く, B区はA区より10%, C区はB区より8%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。7. 環境温度とCO2発生量, O2消費量, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数との間には, かなり高い有意な正の相関が認められた。
著者
丹羽 美次 中西 五十
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.157-165, 2002-09-20
被引用文献数
6 4

食品製造副産物の有効利用を促進するため、パスタ屑を加えた飼料およびパン屑、豆腐粕を主体とするサイレージを調製し、これを肉豚に給与して発育増体や肉質等への影響について検討した。試験は体重約30kgのLD交雑種(肥育試験I)および42kgのLWD交雑種(肥育試験II)を使用し、平均体重105kg到達までとした。供試飼料はトウモロコシ主体の対照区、パスタ屑を約40%含有するパスタ区、パン屑および豆腐粕を乾物中約76%(肥育試験I)、または約90%(肥育試験II)含有するパン屑・豆腐粕区の3区を設けた。その結果、パン屑・豆腐粕区は両試験とも対照区を超える日増体量を示し、パスタ区についても肥育試験Iでは対照区と比較して若干低い値を示したものの、肥育試験IIではむしろ良好な発育となった。屠殺解体後の枝肉の状況では、枝肉歩留、背脂肪の厚さ、肉および脂肪色等において各試験区間に有意さは認められなかった。体脂肪への影響について、パスタ区の背脂肪は飽和脂肪酸を多く含有し融点の高い脂肪となったが、パン屑・豆腐粕区では融点が低下するものの、軟脂とされる状況ではなかった。以上のことから、供試した副産物を主体とする飼料において、通常の配合飼料と同等の肉豚生産が可能と考えられる。