著者
青木 稔弥 青田 寿美 神林 尚子 北村 啓子 木戸 雄一 ロバート キャンベル 小林 実 佐々木 亨 佐藤 至子 高木 元 高橋(山下) 則子 谷川 惠一 中丸 宣明 福井 辰彦 間城 美砂 柳 宗利 山田 俊治 山本 和明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館 2006年度秋季特別展 仮名垣魯文百覧会展示目録
巻号頁・発行日
pp.1-49, 2006-11-01

平成18年10月17日~11月2日に開催した国文学研究資料館2006年度秋季特別展「仮名垣魯文(ROBUN)百覧会」の展示目録。仮名垣魯文を中心とする、幕末・明治開化期文学に照明を当てたもので、当館が平成10年(1998)に近代部門を設けて以来初めての、関連分野の蒐書展示となる。〈仮名垣魯文(ROBUN)の肖像〉〈江戸の残照〉〈開化の寵児〉〈報道する戯作者〉〈魯文の交友圏〉〈毎日新聞社新屋文庫蔵 魯文関連資料の紹介〉〈その他〉のテーマごとに、7ブロック・13セクションに分けて資料を展示。魯文が生きた波乱と変動の時代を背景に読み込みながら、魯文と同時代戯作者たちの群像を、彼らの文業と共に通覧した。
著者
河本 光祐 佐藤 至 吉田 緑 津田 修治
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第37回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.142, 2010 (Released:2010-08-18)

【背景】近年,空気中のウィルスや細菌を不活化する機能をもった空気清浄機が多数市販されている。このような空気清浄機の多くはスー パーオキサイドやヒドロキシラジカルを放出することによってその機能を発揮するが,これらの活性酸素は生物にとって有害であるた め,暴露条件によっては人体に害を及ぼすおそれがないとは言いきれない。そこで本研究では,A,B,C,3社の空気清浄機について, その安全性を検討した。 【方法】実験動物は8週齢のICR系の雄マウスを1群5匹として用いた。AとBについては空気清浄機の出口にビニール製のダクトを付け, その中で暴露した。Cはファンを装備していないため,45cm角のインキュベーター内で暴露した。16時間または48時間暴露後に肺を 採取し,DNA損傷(Comet法)を中心に肺への影響を検討した。 【結果】48時間暴露ではAとBで,16時間暴露ではBで有意なDNA損傷が確認された。CではDNA損傷は認められなかった。 【結語】メーカーでは遺伝毒性を含む各種の試験によって製品の安全性を確認している旨公表しているが,機種および暴露条件によって は肺に障害を与える可能性が確認された。当日は病理組織学的所見等とあわせて考察する予定である。
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
佐藤 至 河本 光祐 西川 裕夫 齋藤 憲光 大網 一則 金 一和 津田 修治
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.101, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)ならびにパーフルオロオクタン酸(PFOA)は界面活性剤の一種であり,合成樹脂原料,撥水・撥油剤,コーティング剤など,様々な用途に使用されている。これらは極めて安定性が高いために環境中に長期間残留し,人や多くの野生動物においても蓄積が確認されていることから残留性有機汚染物質に区分される。これらの物質の毒性については肝障害や発癌性などが指摘されているが,未だ十分な情報が得られていない。このため本研究ではPFOSおよびPFOAの神経毒性について検討した。【方法】Wistar系雄ラットまたはICR系雄マウスにPFOSまたはPFOAを経口投与し,一般症状を観察するとともに超音波刺激に対する反応を観察した。また,PFOSを50-200 mg/kg経口投与したラットの大脳皮質,海馬および小脳にニッスル染色を施し,病理組織学的検索を行った。【結 果】PFOSおよびPFOAのマウスおよびラットに対する致死量は約500 mg/kgであった。これ以下の投与量では一時的な体重の減少または増加の抑制が認められたが,その他の一般症状に著変は見られなかった。しかし,PFOSを投与した動物では超音波刺激によって強直性痙攣が誘発された。この痙攣は超音波刺激前にジアゼパムを投与しても抑制されなかった。一方ゾウリムシにおいてPFOSと同じ後退遊泳作用を有したSodium Dodecyl Sulfate(SDS)ならびにSodium Dodecanoylsalcosinateは痙攣を引き起こさなかった。PFOS投与24時間後の脳組織(大脳皮質,海馬,小脳)において,神経突起の短縮または消失,ニッスル小体の減少などの変化が用量依存性に認められた。これらの結果からPFOSは神経毒性を有すると結論される。
著者
松坂 尚典 山川 洋司 佐藤 至 津田 修治 小林 晴男 西村 義一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.214-218, 1997-04-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1 3

妊娠17日目のマウスに137Csを1回静脈内に投与した後, 胎子および母体臓器における137Csの取込みを放射線測定およびマクロオートラジオグラフィによって調べた。投与後24時間目の胎子1匹あたりにおける取込み量は投与量の0.8%で, 1腹あたりに換算すると投与量の11%となった。さらに, 投与後24時間目における胎子各臓器の137Cs濃度は0.4-0.8%/gであったのに対して, 母体各臓器の濃度は2-6%/gであり, 母体臓器における濃度のほうが胎子臓器の濃度よりも4-6倍ほど高くなった。特に, 母体の器官のなかでも唾液腺が最も高い濃度を示し, 投与後1時間目および24時間目では, それぞれ25%/gおよび6.4%/gとなった。唾液腺は甲状腺に近接して存在しているので, 唾液腺における137Csの顕著な取込みについて注目する必要がある。マクロオートラジオグラムの所見は, 放射線測定によって得られた結果を支持するものであり, カラーで示された像は137Csの臓器分布を視覚的に捉えるのに役立つ。
著者
松坂 尚典 佐藤 至 西村 義一 志賀 瓏郎 小林 晴男 品川 邦汎
出版者
岩手大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

実験動物(マウス及びラット)に放射性亜鉛(Zn-65)及び放射性マンガン(Mn-54)を投与して、胎子、胎盤、胎膜における両核種の取り込みを追跡した。さらに、妊娠末期のラットに両核種を投与したのち分娩させ、在胎中に胎盤を経て胎子に移行した両核種の量と、生後に新生子が母乳を介してもらい受けた量を調べた。1.妊娠17日のマウスにZn-65及びMn-54を1回静脈内投与したのち、24時間目における胎子の取り込み量を調べたところ、それぞれ1腹あたりで36%及び9%となった。すなわち、マウス胎子におけるZn-65の取り込みは、Mn-54のそれよりも約4倍ほど多くなることが観察された。2.妊娠0日、7日、14日のマウスに両核種を1回皮下に同時投与して、分娩直後の新生子における取り込みを調べた。分娩直後の新生子におけるZn-65の取り込み量は、妊娠0日、7日、14日群で、それぞれ1腹あたりの値が11%、12%及び28%となり、妊娠初期に投与された場合よりも妊娠後半に投与された場合の方が、胎盤を経て在胎中に取り込まれた量が多くなった。Mn-54でもほぼ同様の傾向が認められたが、分娩直後の新生子における取り込み量は、Zn-65に比べて1/3から1/4となった。3.妊娠末期のラットにZn-65を1回投与したのち分娩させ、分娩直後の新生子における取り込み量を測定した。そののち、同日に分娩したZn-65無投与ラットの新生子と一部交換して哺乳させた。分娩直後の新生子には投与量の3%(1腹あたりでは約30%)が取り込まれており、さらに離乳するまでには母乳を介して1.5%(1復あたりでは約15%)が移行した。Mn-54についても、ほぼ同様の傾向が認められた。これらの結果から、Zn-65及びMn-54に関しては、胎児への経胎磐移行とともに、母乳を介する汚染経路が重要であると考えられる。
著者
佐藤 至 西川 裕夫 齋藤 憲光 金 一和 大網 一則 津田 修治
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第32回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.75, 2005 (Released:2005-06-08)

【目 的】パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)は合成樹脂原料,撥水剤,コーティング剤など,様々な用途に使用されている。これらは極めて安定性が高いために環境中に長期間残留し,人や多くの野生動物においても蓄積が確認されているが,その毒性については十分な情報が得られていない。このため本研究ではマウスなどの実験動物とゾウリムシを用いてPFOSおよびPFOAの神経毒性について検討した。【方 法】8〜9週齢のWistar系雄ラットまたはICR系雄マウスにPFOSまたはPFOAを経口投与し,一般症状を観察するとともに超音波刺激に対する反応を観察した。また,ゾウリムシをPFOSまたはPFOAを含む種々の溶液に入れ,遊泳行動の変化を観察することにより毒性評価を行った。【結 果】PFOSおよびPFOAのマウスおよびラットに対する致死量は約500 mg/kgであった。これ以下の投与量では一時的な体重の減少または増加の抑制が認められたが,その他の一般症状に著変は見られなかった。しかし,PFOSはマウスで125 mg/kg以上,ラットでは250 mg/kg以上で超音波刺激による強直性痙攣を誘発した。PFOSによる痙攣は超音波刺激2時間前にジアゼパムまたはニフェジピンを投与しても抑制されなかった。一方PFOSおよびPFOAはゾウリムシに対して後退遊泳を誘発し,膜電位あるいは細胞内カルシウムに対する影響が示唆された。後退遊泳誘発作用はPFOAよりもPFOSの方が強かった。ジアゼパムおよび数種のCa2+チャンネルブロッカーは高カリウムによる後退遊泳は抑制したが,PFOSによる後退遊泳は抑制しなかった。また低カルシウム溶液中ではPFOSによる後退遊泳が増強された。以上の結果からPFOSは細胞外カルシウムの取り込みによらずに神経毒性を示す可能性が示唆された。
著者
佐藤 至 鈴木 忠彦 小林 晴男
出版者
Japanese Society of Veterinary Science
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.731-734, 2005 (Released:2011-03-05)
著者
吉野 朋美 小林 ふみ子 青木 幸子 中嶋 真也 平野 多恵 佐藤 至子 兼岡 理恵 中野 貴文
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、以下の四点に集約される。【1】多様な教育手法と経験を備えた大学と高校の教員が、専門分野や学校の垣根を越えて連携し、研究と高等教育の現場を結びつけて、探究型の古典文学教育を実現する。【2】学習者(高校生・大学生・大学院生)と教授者(高校・大学教員)が同じ題材を学び合うことで多様な視座の獲得を可能にするワークショップ(以下WS)を継続的に開催し、古典文学教育でディープ・アクティブラーニングを実現する授業方法を開発する。【3】欧米の大学・大学院における教育方法を応用し、新たな古典教育のモデルを開発する。【4】本研究で開発した教材や教育方法モデルをWeb公開して、社会に広く還元する。
著者
佐藤 至 辻本 恒徳 山下 竹治 齋田 栄里奈 渡辺 元 田谷 一善 世良 耕一郎 津田 修治
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.733-737, 2007-10-20
被引用文献数
2

野生動物の鉛中毒は古くから知られていたが、近年はカドミウムやタリウムなどによる汚染も報告されている。このため本研究では、ツキノワグマ、ホンシュウジカ、ニホンカモシカ、トウホクノウサギおよびカワウの肝臓および腎臓のPIXE分析を行い、これらの重金属による汚染状況を調査した。カドミウム濃度はツキノワグマとトウホクノウサギの腎臓で高く、ツキノワグマで74頭中27頭、トウホクノウサギで16羽中5羽が10mg/kgを超えていた。鉛はツキノワグマとカワウで高く、5頭のツキノワグマが鉛汚染の目安となる肝臓鉛濃度の2mg/kgを超えていたが、カワウではこれを超えるものはなかった。タリウムはすべての試料で検出されなかった。これらの結果は、ツキノワグマとトウホクノウサギは比較的高度のカドミウム暴露を受けており、さらにツキノワグマでは鉛汚染が散発的に発生している可能性を示唆している。
著者
佐藤 至英 戸澤 希美
出版者
北翔大学
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.39-45, 2003-10-01
被引用文献数
3

本研究は,予備調査で得られた原尺度をもとに,独居高齢者が日常生活において,どのようなストレスをかかえているのか,身体的健康,精神的健康,サポート,生きがい,経済的満足度と独居高齢者の日常生活におけるストレスはどのような関係にあるのかについて検討することを目的とした。対象者は北海道N市ならびにM市に在住する65歳以上の独居高齢者85名(男性16名,女性69名)。因子分析の結果,独居高齢者のストレスとして,老いへの不安(高齢ストレス),一人で生きていくことへの不安(自律ストレス),家族も含めた対人関係(対人ストレス),そして身体的不調(病気ストレス)の4タイプが抽出された。4タイプのストレスと各要因との関係を分析した結果,(1)身体的にも精神的にも健康を保ち,趣味などの生きがいをもつ人は,老いへの不安や一人で生きていくことへの不安が低い,趣味などの生きがいをもち,家族からのかかわりに満足を覚え,経済的満足度が高い人ほど精神的健康が保たれていること,(2)対人関係や体調不良等によるストレスは,家族も含めたまわりの人からのサポートによって,その程度は変化すること,(3)対人関係と老いへの不安がストレスとなり精神的健康に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
著者
佐藤 至子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.57-65, 2001-10-10 (Released:2017-08-01)

黄表紙や初期合巻には、高慢な人間が異人に教訓される光景を滑稽に描いたものや、武芸上達を志す男が異人たちと関わりながら旅をする内容のものがあり、作の主眼は異界遍歴の過程(プロセス)にあったと思われる。また、草双紙は全てがあるべき理想の状態になり、めでたい結末で終わるのが基本であるが、その中で異人や異界は、人間が拠るべき価値観や、困難を克服して成長する過程を比喩的に語る際のモチーフであったとも解釈できる。
著者
戸原 三郎 佐藤 至 中村 彰 中西 五十 佐久間 勇次
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.147-153, 1983-10-20 (Released:2011-06-08)
参考文献数
21

環境温度を22℃以下のA区と22.1~26.0℃のB区, 26.0以上のC区に分け, 6頭の育成豚 (平均体重29.74±5.41kg) を用い, CO2発生量とO2消費量, 呼吸商, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数を比較した。1. CO2発生量はA区が平均15, 64±3.39l/hrで最も少く, B区はA区より15%, C区はB区より18%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。2. O2消費量はA区が平均17.32±2.73l/hrで最も少く, B区はA区より4%, C区はB区より27%多くなり, 環境温度の上昇に伴い, 増加の傾向が認められた。3. 呼吸商はA区が平均0.91±0.12で最も少かったが, B区は増加しC区は減少しており, 温度の上昇に伴う一定した変化は認められなかった。4. 熱発生量はA区が平均6.51±1.11Cal/kg0.75hrで最も少く, B区はA区より23%, C区はB区より15%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。5. 呼吸数はA区が平均26.5±4.2回/分で最も少く, B区はA区より71%, C区はB区より120%多くなり, 環境温度の上昇に伴い急激に増加した。6. 心拍数はA区が平均111.3±7.6回/分で最も少く, B区はA区より10%, C区はB区より8%多くなり, 環境温度の上昇に伴い有意に増加した。7. 環境温度とCO2発生量, O2消費量, 熱発生量, 呼吸数, 心拍数との間には, かなり高い有意な正の相関が認められた。
著者
佐藤 至 辻本 恒徳 山下 竹治
出版者
日本獸医師会
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.733-737, 2007 (Released:2011-12-19)

野生動物の鉛中毒は古くから知られていたが、近年はカドミウムやタリウムなどによる汚染も報告されている。このため本研究では、ツキノワグマ、ホンシュウジカ、ニホンカモシカ、トウホクノウサギおよびカワウの肝臓および腎臓のPIXE分析を行い、これらの重金属による汚染状況を調査した。カドミウム濃度はツキノワグマとトウホクノウサギの腎臓で高く、ツキノワグマで74頭中27頭、トウホクノウサギで16羽中5羽が10mg/kgを超えていた。鉛はツキノワグマとカワウで高く、5頭のツキノワグマが鉛汚染の目安となる肝臓鉛濃度の2mg/kgを超えていたが、カワウではこれを超えるものはなかった。タリウムはすべての試料で検出されなかった。これらの結果は、ツキノワグマとトウホクノウサギは比較的高度のカドミウム暴露を受けており、さらにツキノワグマでは鉛汚染が散発的に発生している可能性を示唆している。
著者
佐藤 至英
出版者
北翔大学
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 = Bulletin of Northern Regions Research Center for Human Service Studies (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.67-69, 2007

フィンランドにおけるホームレス政策は,比較的成功している事例として世界的に注目されている。1987年18,000人近くいた単身ホームレスや1,400世帯のホームレス世帯は,1996年には単身ホームレスが44%,ホームレス世帯は74%減少している。2006年現在,フィンランドにおけるホームレス人口は,単身ホームレス7,400人,ホームレス家族300。フィンランドのホームレス対策において中心的役割を担っているNPO(Y財団)のハンヌ・プットネン代表からホームレス支援活動(永住のための住宅供給)の実態について,またヘルシンキ郊外にあるケアクリニックのジルキ・ラウスバアラ所長ならびに長期入所している元ホームレスの男性2人からリハビリテーション・プログラムの実際について,インタビューした。
著者
佐藤 至 辻本 恒徳 世良 耕一郎 二つ川 章二 津田 修治
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.825-830, 2003
被引用文献数
2

平成11年11月から平成14年8月までに狩猟等によって岩手県内で捕獲されたツキノワグマ計42頭 (雄24頭, 雌18頭) の肝臓, 腎臓および被毛についてPIXE分析を行い, 鉛等の重金属による汚染状況を調査した.その結果これらの組織からは, クロム, マンガン, 鉄, コバルト, 銅, 亜鉛, セレン, モリブデン, カドミウム, 鉛等が検出された.このうちコバルトは人などで知られている濃度の10倍以上の高値を示した.また2頭の亜鉛濃度が異常な高値を示し, 何らかの亜鉛暴露を受けていた可能性が考えられた.肝臓, 腎臓および被毛におけるカドミウムの平均濃度はそれぞれ0.20, 9.16, 2.10mg/kgであり, 日本人の正常範囲を超える個体はみられなかった.肝臓の鉛濃度の多くは1mg/kg未満であったが, 3頭が2mg/kgを超え, ツキノワグマにおいても鉛汚染が存在する可能性が示唆された.