著者
中谷 英明 江島 惠教
出版者
神戸学院大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

1.パーリデータベースの構築研究代表者と分担者は、Association for Pali Text Inputting(=APTI,代表江島恵教(本研究分担者))の活動を通じて、データ入力と、校正作業を継続した。APTI会員は本年10名増加して36名に達した.本年度実績は下記のとおり.(1)校了テキスト:Udana,Thera-theri-gatha.(2)校正中テキスト:Cullaniddesa,Petakopadesa, Dhammasangani.(3)入力テキストKhuddakapatha,Mahaniddesa,Patisambhidamagga,Buddhavamsa,Milin-dapanha,Vibhanga,Paramatthajotika II,Atthasalini.2.データベース作成マニュアル4種のマニュアルを作成した.(1)「APTIへの誘い」(2)「RECOGINITA PLUS使用法」,(3)「OCRデータ処理手順」,(4)「インド学研究とコンピュータ利用」.3.サンスクリットデータ処理システムほぼ完成した.4.研究用プログラムの開発と研究韻律分析プログラムは高島淳助教授(東京外国語大学)の協力によってほぼ完成した.これを利用した研究論文1篇を発表した.(裏面「研究発表」参照)
著者
松原 雄平 野田 英明 依藤 正典 中谷 英明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.693-698, 1997 (Released:2011-06-27)
参考文献数
8

Nakaumi lake is shallow with extensive intertidal sand and mud flats. The eelgrass (Zoesta marina) zone in the lake may function as an important refugee for many resident and transient species, especially where other structural habitats are poor. In this paper, a new method for eelgrass bed creation is introduced and discussed Field observations have been carried out and suitability conditions of eelgrass are evaluated by field data.
著者
中谷 英明 徳永 宗雄
出版者
神戸学院大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、『マハーバーラタ』と『ラ-マ-ヤナ』という古代インドの2大叙事詩の韻律の解明である。両名は2年来、2大叙事詩の韻律解明を行ってきたが、この過程において、インド古典期のもっとも普通の韻律形式であり、2大叙事詩においては9割以上を占めるアヌシュトゥブ(シュローカ)律の変遷を探るうち、アヌシュトゥブが、インド最古の文献『リグ・ヴェーダ』において、ガーヤトリー律から派生したことを示す新事実を発見した。『リグ・ヴェーダ』における生成から、2大叙事詩に至るまでのアヌシュトゥブの展開が、ここに初めて連続的に明らかになったと言え、インド韻律史上の重要事実であるから、本年度はこの発見を学界に報告することとした。その事実は、「韻律パターンの使用頻度」に関わる。パターンを一々数えなから作詩することは不可能であり、作者にとってほぼ無意識の領域に属すると推定される。しかし3行ないし4行から成る1詩の各行によって異なるパターン頻度が認められること、しかもそれが2種の異なる韻律(ガーヤトリーとアヌシュトゥブ)の間でまったく平行することは、熟練した詩作者の心の内にある微妙な韻律観念を映し取るものと言えよう。詩人のこの繊細な感覚には驚きを禁じ得ない。統計的研究は、今後この種の人間精神の精妙な働きを、さらに明らかにしてゆくであろう。またこの例は、古典期の複雑に規程された韻律形式が、本源において、ここに認められるような詩人の半ば無意識的な、柔軟なリズム的感性から発生し、次第に固定化したものであることを明瞭に示しており、インド韻律史的観点からも極めて興味深い。