著者
中越 進
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.79-82, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
4

本研究の目的は,確率の実践と考察を通して,小学校算数科における確率の位置づけの示唆を得ることである。そこで,ニュージーランドの初等中等教育で実践されている確率指導を参考にし,小学校第3学年で授業実践を行い,分析,考察を行った。これらの結果から,以下の3点が明らかになった。① 「確からしさの考え(主観確率から間主観確率)」から導入することは有効である。② 日常事象を取り上げ,起こりやすさを定性的に表す活動が,確率的な実験場面を数値で表すことにつながり有効である。③ 現行の学習指導要領におけるカリキュラムにも「確からしさの考え」を位置づけ導入することができる。これらをもとにして,小学校における確率指導の実践に向けての示唆を得ることができた。