著者
水島 未記 堀 繁久
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.31-34, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
4

筆者らは、2015 年春にオープンした北海道博物館の総合展示のうち、北海道の生態系および生物多様性を扱ったテーマである「生き物たちの北海道」を担当した。そこでは、元々博物館に興味関心がある層に対してより深い学習効果をもたらすだけでなく、博物館好き層ではない層、興味レベルが高くない層も含めた「その他大勢」にリーチするための展示手法および表現手段について模索した。本研究では、企画意図を紹介するとともに、そのアプローチおよび考案した具体的な展示手法等について報告する。
著者
岡田 努 野ヶ山 康弘
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.251-252, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
2
被引用文献数
2

本研究は福島の原発事故後5年間に実施されてきた放射線教育の現状と課題に関する事例研究である。福島県内外の中学校での実践事例の調査と放射線に関するアンケート調査結果から,震災直後に「放射線に関する知識がないから恐れる」というイメージの固定化が顕著となったが,正しい知識を得ることで,原発や放射線の有効利用の是非等について多様な意見が見られ,調査した地域間に差異が見られた。さらに小中高校といかに接続すべきかという今後の放射線教育の課題も提示した。
著者
河野 純大
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.25-26, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
2

本稿では2016 年4 月に施行された「障害者差別解消法」の概要を述べ,国や地方公共団体等にとっては法的義務となった「差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」について例とともに解説し,今後の科学系博物館における合理的配慮のあり方について述べる。
著者
中越 進
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.79-82, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
4

本研究の目的は,確率の実践と考察を通して,小学校算数科における確率の位置づけの示唆を得ることである。そこで,ニュージーランドの初等中等教育で実践されている確率指導を参考にし,小学校第3学年で授業実践を行い,分析,考察を行った。これらの結果から,以下の3点が明らかになった。① 「確からしさの考え(主観確率から間主観確率)」から導入することは有効である。② 日常事象を取り上げ,起こりやすさを定性的に表す活動が,確率的な実験場面を数値で表すことにつながり有効である。③ 現行の学習指導要領におけるカリキュラムにも「確からしさの考え」を位置づけ導入することができる。これらをもとにして,小学校における確率指導の実践に向けての示唆を得ることができた。
著者
野口 大介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 40 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.419-420, 2016 (Released:2018-08-16)
参考文献数
3

本研究は,テルミット反応で鉄-アルミニウム合金が作り出せるという仮説を設定し,生徒が教科書で学ぶ基礎化学的事項を活用しそれを証明していく探究活動に関するものである。反応させるアルミニウム量を通常の1.7 倍にまで増やすと次第に生成物の質量は減少していき,それ以上となると逆に増加した。なお,生成物である鉄にアルミニウムが含まれることは,生成物を塩酸に溶かし,水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加え,希塩酸を加えて水酸化アルミニウムが生成することで確認している。これらの結果から,鉄にアルミニウムが置き換わった合金様生成物,および内外にアルミニウムが積層・集合した生成物が生じるものと考察した。