- 著者
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土井 誠
中野 亮平
石川 隆輔
片山 晴喜
- 出版者
- 関東東山病害虫研究会
- 雑誌
- 関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
- 巻号頁・発行日
- vol.2017, no.64, pp.113-117, 2017-12-01 (Released:2019-03-01)
- 参考文献数
- 11
葉ネギのネギハモグリバエを対象に静岡県の主要産地で使用頻度が高い薬剤及び近年登録された薬剤あわせて8剤について,圃場での散布試験を行った。薬剤処理後のマイン増加数により防除効果を評価した結果,シアントラニリプロール水和剤とスピネトラム水和剤の効果が高かった。また,ネギハモグリバエとネギアザミウマに対する殺虫剤(チアメトキサム水溶剤,クロチアニジン水溶剤,スピネトラム水和剤,クロラントラニリプロール水和剤)と展着剤の加用および気門封鎖型殺虫剤(脂肪酸グリセリド乳剤)の混用による効果の違いを比較した。 両害虫が発生している圃場に薬剤処理したネギ苗を配置し,それぞれの寄生数を比較した結果,クロチアニジンでは一部展着剤で加用による両害虫に対する防除効果の向上が認められた。スピネトラムではネギハモグリバエに対していずれも無加用と差がなく,ネギアザミウマに対しては加用により防除効果が低下した展着剤が認められた。チアメトキサムでは両害虫に対して,無加用と展着剤加用で防除効果に差がなかった。クロラントラニリプロールでは評価対象としたネギハモグリバエに対して無加用と展着剤加用で防除効果に差がなかった。各殺虫剤と脂肪酸グリセリドの混用による防除効果の違いについては,クロチアニジンではネギハモグリバエに対して単用に比べて発生蛹数が有意に少なかったが,それ以外の殺虫剤では両害虫に対して単用と混用との防除効果の差は認められなかった。さらに,ネギハモグリバエを対象に各種展着剤等を加用した時のクロラントラニリプロール水和剤の効果について,室内試験を行った。薬剤処理後の成虫放飼および幼虫期の薬剤処理について試験を行った結果,加用する展着剤および処理時期によって効果が向上するものが認められた。また,本剤と脂肪酸グリセリドの混用では単用に比べ防除効果が向上した。