著者
中野 良三 美濃 羊輔 丸山 純孝
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 第1部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.p611-622, 1975-10

同伸性と相似生長性の有無を検討するために,オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の3品種,早生(チヌーク),中生(フロード)および晩生(ペンレート)を用い,1974年6月中旬から7月中旬まで,野外条件下で出葉位の調査および葉身長と葉幅の測定を行った。1)3品種ともに子葉鞘からの分げつは認められなかった。また前出葉からの分げつは生育の旺盛な個体の低節位分げつに認められた。2)3品種ともに主稈と第1次分げつの間に同伸性は認められたが,第2次分げつは対応する主稈葉位より遅れる傾向がみられた。3)3品種ともに第1次分げつ延葉長と主稈相対延葉長との間に相関が認められたが,生長時期を通じて両者の延葉長の割合は一定でなく,相似生長性のないことが明らかになった。