著者
伊東 清志 猪俣 裕樹 丸山 拓実 荻原 直樹 佐藤 大輔 八子 武裕 四方 聖二 北澤 和夫 小林 茂昭
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1183-1196, 2021-11-10

Point・頚椎前方除圧固定術は,米国の脳神経外科医が開発し,長きにわたり改良され,受け継がれてきた信頼性が高い治療方法である.・頚椎は運動器として動きながら頭蓋を支える側面をもつため,脊髄への圧迫も「動態」での評価が必要であり,「固定」することで圧迫を解除することは理にかなっている.・この方法を安全かつ効果的に行うためには,局所解剖を十分に理解し,術中の操作に取り入れることが大切である.
著者
高瀬 香奈 三島 弘之 綾部 純一 渡辺 正英 土屋 雄介 丸山 拓実 益子 悠 立石 健祐 田中 良英
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.305-311, 2021 (Released:2021-04-25)
参考文献数
24

放射線治療の晩期障害として放射線誘発性腫瘍があるが, 組織型の異なる放射線誘発性脳腫瘍が併発した症例の報告は稀少である. 症例は49歳男性. 8歳時に右前頭葉腫瘍の摘出術を受け, 当初星芽腫の診断で51Gy/37frの拡大局所照射を施行された. 照射後41年, 初発のてんかん発作で救急搬送され, 右前頭葉脳実質の不整形腫瘍と周辺の円蓋部に硬膜付着腫瘤を認めた. 両病変に対して摘出術を施行し, それぞれ膠芽腫, 髄膜腫と診断された. 再検討の結果, 初発腫瘍は退形成上衣腫と診断された. 小児期に放射線治療を受けた患者では長期間経過しても放射線誘発性腫瘍のリスクが存在するため, 長期にわたる慎重な経過観察が重要である.