著者
金沢 みどり 丸山 有紀子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-18, 2014-07-31 (Released:2017-03-03)
参考文献数
21
被引用文献数
1

生涯学習を支援するために,近年の公共図書館は,利用者の情報活用能力の育成を支援するという新しい役割を果たそうとしている.特に,公共図書館のヤングアダルトサービスは,中学生や高校生を対象として,読書習慣を発展させるための読書支援,リテラシーや情報活用能力を更に向上させるための支援など,ヤングアダルトの生涯学習の基礎を固める上で重要な役割を果たすことが期待されている.本研究では,日本の公共図書館WebサイトのヤングアダルトWebページを対象として,情報活用能力の育成支援の観点などから,ヤングアダルトのコンテンツについて,現状調査を実施した.調査結果から,ヤングアダルトWebページのコンテンツに関する全体的な傾向を明らかにするとともに,ヤングアダルトWebページのコンテンツ・モデルを提案した.
著者
元木 章博 丸山 有紀子 金沢 みどり
出版者
Japan Society for Information and Media Studies
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-43, 2011

アメリカ合衆国における公共図書館の児童向けWeb版OPACについて,検索機能および利用者への応答や説明などの観点から,評価基準FREDに基づき現状を調査した.加えて,アメリカ合衆国の学校図書館Web版OPACの既存の調査結果との比較を行い,両者の差異について考察した.その結果,公共図書館の児童向けWeb版OPACは,学校図書館Web版OPACと比べて,Response(検索システムから児童への応答)に関しては優れているが,Diversity(検索システムの機能の多様性)に関しては劣っており,児童の発達段階に応じた多様な検索機能が充分に備わっているとは言えないことが明らかになった.さらに,Web版OPACのキーワード検索や件名検索の機能については,公共図書館の児童向けWeb版OPACおよび学校図書館Web版OPACの両方で,Web版OPACに不慣れな児童を支援するのに充分な機能が備わっているとは言えず,児童の情報活用能力の育成支援の観点から,今後の改善が必要である.