著者
江原 義弘 別府 政敏 野村 進 國見 ゆみ子 池田 稔 高橋 茂 丸田 耕平
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.152-158, 2002-04-01
参考文献数
11
被引用文献数
4

下腿切断者を被験者として, 16種類の足部について歩行時に足部に吸収・放出されるエネルギー量を計算した. 歩行中の関節位置と床反力データより関節モーメントを計算し, 関節角速度と体節間浸透力を考慮した新しい方式でパワーを計算した. 立脚期におけるパワーは負・正・負・正の4領域となり, おのおのの領域でパワーを積分してエネルギーを求めた. 踵部での吸収が少ない群としてはスプリングライトII, フレックスウォークII, グライジンガープラス, カーボンコピーII, 1H38, SL1020があり, 多い群としてはSACH, 1D10, SAFEIIがあった. 前足部での吸収・放出が少ない群としてはSACH, 1H38であった. 多い群はエナジーマルチ, シュアーフレックス, J-フットであった. 踵部と前足部の機能は足部を選択する場合に重要であることが示唆された.
著者
江原 義弘 高橋 茂 丸田 耕平 土屋 辰夫 森井 和枝
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.159-163, 2002-04-01 (Released:2010-02-25)

大腿切断者のための膝継手の選択を, 効率的に行うためのフローチャートを提案した. 選定手続きは以下の4ステップになる. 最初のステップでは切断者の身体状況より到達可能と思われる日常生活のレベルを予測する. これにより「車いすとの併用」「杖を使用し屋内外移動可能」「杖なしで日常生活自立」「制限なく屋内外移動可能」の4つのレベルを予測する. 次のステップでは対象者の希望を確認する. 第3, 第4のステップでは使用状況に応じて膝継手を選定する. フローチャートを用いると選択作業が効率的に実行できるばかりでなく, 選択の手順について他の担当者や, 対象者・メーカー・代理店などと意見交換がたやすくできるという利点がある.