- 著者
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丹羽 英智
木村 太
廣田 和美
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.4, pp.468-473, 2015-07-15 (Released:2015-09-18)
- 参考文献数
- 18
帝王切開術を全身麻酔で管理する場合,吸入麻酔薬と静脈麻酔薬のどちらが母児の管理上,利点を多く有するかは不明である.今回,われわれは,当教室の臨床データ(2002~2013年,N=635)を示しつつ最近の文献をもとにどちらが良い麻酔法かを考察する.妊娠子宮筋を用いた基礎研究の結果は,全身麻酔で用いられるほぼすべての薬剤が子宮筋の収縮を抑制することを示した.これは,児娩出までの間は生体に有利に働くが,児娩出後は,母体の出血量の増加につながる.しかしながら,術中の出血量は静脈麻酔薬と揮発性麻酔薬の間に差を認めなかった.一方,母体のPONV発生頻度が低い点では,TIVAにおける母体の満足度が高くなることが推察される.