著者
久保川 達也 江口 真透 竹村 彰通 小西 貞則
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.257-312, 1993 (Released:2009-09-30)
参考文献数
511

統計的推測理論は多方面にわたって発展しているが,ここではこの発展を,決定論的観点からの推定論,微分幾何的アプローチによる漸近理論,検定論,プートストラップ法,の4つのトピックにわけそれぞれのトピックに章をあてて概観する.全体の内容を調整した後,第1章を久保川,第2章を江口,第3章を竹村,第4章を小西がそれぞれ執筆した.トピックごとに文献もかなり明確にわかれるため,参考文献も各章ごとに与えてある.統計的推測理論のような大きな分野の発展を概観する際には,その中で何が重要な発展であるかなどについてさまざまな観点がありえる.ここでの概観も,それぞれの執筆者の観点にある程度引き寄せた概観となっていることをお断りしておきたい.
著者
久保川 達也
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.139-161, 2007-03-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

標本調査では,調査区全体からデータがとられ全体の母集団特性が調べられる.同じデータを用いて市町村レベルの母集団特性を求めようとすると,市町村によっては取られたデータが少ないため標本平均などの推定値は推定誤差が大きくなってしまうという問題が生ずる.これを小地域問題といい,注目している地域(市町村)の周辺地域からデータを上手に取り込むことによって推定精度を高めることができる.そのための代表的なモデルが線形混合モデルであり,そこから導かれる経験最良線形予測量が小地域問題を解決する手法になっている.本稿では,線形混合モデルを利用した小地域推定について解説する.特に,線形混合モデルのもつ(共通母数)+(変量効果)という構造が推定精度を高めるためにどのように働くのかについて説明し,実際どの程度誤差が抑えられているのかに関して平均2乗誤差の推定と信頼区間の構成についてまとめる.最後に,空間データ等を分析するための様々なモデリングの方法を紹介し,一般化線形混合モデルと死亡率推定への応用についても説明する.