- 著者
-
河合 知子
久保田 のぞみ
佐藤 信
- 出版者
- 市立名寄短期大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1998
今年度は、米飯給食における地元産米利用とその実態について、北海道の稲作地帯(空知管内)と畑作酪農地帯(十勝管内)の給食だよりを基に比較検討した。米飯給食の実施回数については、空知地域が週当たり平均米飯実施回数3.5回に対して、十勝地域のそれは2.6回であり、稲作地帯の学校給食の方が米飯を取り入れている回数は多い。また、使用している米については、十勝地域については何ら紹介がないのに対して、空知地域は、地元産米使用と紹介している学校給食が17センター中8センターある。米の生産地である空知地域は学校給食に地元産の米を積極的に取り入れている。米飯給食の導入が他の献立内容にどのような影響を与えているのか、使用野菜数との関係、白飯と味付けご飯との割合、他の献立内容との関わりについて分析した。1食当たり使用野菜数は、空知地域の平均が37.8種類、十勝地域のそれは40.3種類であった。米飯給食の週当たり実施回数が少なくても、使用野菜数の多い学校給食もあれば、またその逆のケースもあり、米飯給食の実施回数と使用野菜数にはっきりとした相関は見られなかった。さらに、米飯給食のうちどの程度白飯が出されているか(以下、白飯率という)について分析すると、白飯率が下は30%台から、多い学校給食においては90%を超えたところもあり、その幅は大きい。個別に、丼物、カレーライス、混ぜご飯などの味付けご飯の時と白飯の時の献立内容を比較すると、味付けご飯の場合は総じて、漬け物と汁物だけの献立であることが多く、白飯の献立内容と比べて満足度に欠ける。献立の多様性は必要ではあるが、おかず類の充実には白飯率を上げることも一案と考えられる。