著者
久松 伸
出版者
麻布大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

堆肥化が困難だと言われているイチョウ落葉を用いて堆肥化を行い、その堆肥化過程中に存在する微生物フローラを調べた。その結果、微生物フローラは堆肥化過程で大きく変化することがわかった。また、堆肥化過程で内部温度が上昇する時期に微生物を単離して、各微生物のPCB分解能を調べたところ、ほとんどの試料で培養液中のPCB量が半減することがわかった。特に、1つの細菌では、約90%の減少を確認できた。
著者
森田 英利 坂田 亮一 加藤 行男 久松 伸
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.5/6, pp.176-181, 2003-03-31

亜硝酸ナトリウム(NaNO_2),塩化ナトリウム(NaCI)あるいは数種類の抗生物質で処理したベロトキシン産生大腸菌(VTEC)O157:H7の3株から,ベロトキシン(VT)1型と2型の放出量を定量した。VTEC O157:H7のうち,2株がVT1型とVT2型の両者を産出し,1株がVT2型のみ産出した。VTEC O157:H7をNaNO_2(最少発育阻止濃度である6,000mg/L)で処理したがVT1型およびVT2型の放出量は増加しなかった。NaNO_2由来の一酸化窒素(NO)の抗菌メカニズムを明らかにするために,NaNO_2で処理したVTEC O157:H7の細胞を77Kでの電子常磁性共鳴吸収(EPR)法に供した。その結果,g値2.035と2.010のEPRシグナルを検出し,細胞内に鉄硫黄タンパク質とNOが反応して形成されたジニトロシル鉄硫黄錯体が存在した。またATPの合成も阻害されていた。このことから,NaNO_2出来のNOは細胞内に入り,呼吸鎖に関与する酵素を不活化したものと考えられた。