7 0 0 0 OA 妖怪名義小考

著者
久留島元 Hajime Kurushima
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 = Doshisha Kokubungaku (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.92, pp.148-159, 2020-03-20

本稿では現在の研究者が「妖怪」「怪異」にまつわる語彙として認識する「妖怪」「牛鬼」「付喪神」という三つの言葉(表現)に即して、古典資料の用例をふまえ、歴史的、社会的な背景により変化について分析を行った。これは小松和彦氏のいう妖怪の三領域(①現象、②存在、③造形)のうち、現象をともなわない存在についての考察であり、従来の妖怪研究に足りない文学的研究手法を提示するものである。
著者
大江 篤 久禮 旦雄 久留 島元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-4, 2014-07-26

地域に根差した伝承を採集し集積することは,柳田國男によって提唱された日本民俗学のおおきな課題のひとつである.しかし多くの場合,集積されたデータは専門の研究者たちによって活用され,地域住民自身によるアクセスは困難である.本データベースは兵庫県尼崎市における怪異・妖怪等フシギなコトやモノにまつわる伝説,伝承の一覧をめざすが,その際,データベース作成者のバイアスにより原資料の表現,認識が変わってしまう危険性を指摘する.そのうえでデータベースを地域資源のひとつに位置づけ,一般の地域住民にも確実な原資料へアクセスできるかたちでの公開について報告する.Collecting and accumulating regional folk tales is one of the major themes Kunio Yanagita has proposed for Japanese Folklore. In many cases, however, accumulated database is utilized by only specific researchers. Local residents are difficult to access to the database. We are aiming to list the legends and lore of mysterious presences and strange incidents, known as "Yokai " and "Kaii" in Amagasaki, Hyogo prefecture. But we here point out that expression of recognition of original material may be endangered to the changes possibly caused by prejudice of producers who made the database. Recognizing the danger, we evaluate the database as one of the valuable regional resources. And we'd like to propose the certain way opening the original resources to regional people.