著者
瀬尾 理利子 久野木 順一 真光 雄一郎
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.144-148, 2004 (Released:2008-02-06)
参考文献数
6

【緒言】近年,整形外科領域において超音波診断法が徐々に普及してきた.骨盤輪不安定性に対する超音波診断法の可能性について調査した.【対象および方法】14名の成人女性を対象とし,超音波検査を用いて恥骨結合を描出し,安静時と運動による画像の変化を調査比較した.【結果】画像で恥骨は高輝度,恥骨結合は無エコー部を呈した.股関節伸展位,左右股関節屈曲位の画像で,恥骨間距離や恥骨の高さに変化が確認された.【考察】妊婦の腰痛として骨盤輪不安定症は重要な疾患である.評価法としてX線検査が一般的であるが,妊婦では被爆の問題からX線検査には限界がある.今回の調査で,肢位による画像の変化を認め,超音波検査により骨盤輪の不安定性を診断できる可能性があることが示唆された.超音波検査にて,骨盤不安定性を評価する有効性ついては検討の余地があるが,今後手技の確立を要する.
著者
吉田 祐一 河村 直洋 角田 陽平 大西 惟貴 大谷 隼一 裴 有安 久野木 順一
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.984-988, 2021-07-20 (Released:2021-07-20)
参考文献数
9

45歳男性,高尿酸血症に対して入院治療中に背部痛に続いて両下肢筋力低下と痙性歩行を呈した.MRIで脊髄圧迫を呈した胸椎硬膜外腫瘤性病変はCTでは石灰化を伴っており,椎間関節発生の痛風結節が疑われた.胸椎後方除圧固定術を行い,切除標本では尿酸結晶が同定された.術後,下肢筋力は改善したが重度の痙性が遺残した.脊椎痛風結節はCTで検出されやすいため,背部痛時には精査することが望ましい.