著者
松井 純一 澤 文博 土田 昌宏 月本 一郎 亀田 典章
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.105-108, 1990-03-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1

小児白血病にみられる脊髄腫瘍はまれであるが, 重篤な合併症である.私たちは急性白血病に合併した3症例の臨床経過と病理所見を報告し, 20歳未満の12報告例と比較検討した.脊髄腫瘤はおもに硬膜外腫瘤による圧迫症状で見つけられ, 胸椎から発生するものが最も多かった.治療としては化学療法と放射線療法が有効であるが, 急速に神経症状が進展する場合にはラミネクトミーを行うべきである.
著者
白鳥 史明 木下 敬弘 大城 崇司 岡住 慎一 加藤 良二 亀田 典章
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.675-681, 2011 (Released:2011-09-25)
参考文献数
11

症例は61歳,女性.2年前より潰瘍性大腸炎(以下UC)に対して内科的加療を受けていたが,再発・寛解を繰り返していた.今回再度,症状が悪化し重症UCの診断のもと入院とした.UCに対してステロイド(プレドニゾロン最大60mg/day)・シクロスポリン・顆粒球吸着療法を施行したが症状の改善は認められなかった.心窩部違和感に対する精査として上部消化管内視鏡検査を施行したところ前庭部に胃癌が発見され,cT2(MP)N0 M0 stageIbと診断された.UCは内科的治療抵抗性であったため手術適応と判断し,UCに対して大腸亜全摘/回腸ストマ,胃癌に対して幽門側切除術Roux-en-Y再建を腹腔鏡下で同時に施行した.術後経過は良好であり術後24日目に退院となった.UCに胃癌を合併した報告例は稀であり,また腹腔鏡下に同時手術を施行した報告は本例が初めてであった.