著者
川野邊 誠 亀田 昌志
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.95-105, 2006-12-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
11

音楽 (音) と色の関係は, 芸術, 科学の分野で古くから広く研究されてきている. 従来研究のほとんどは, 音楽の個々の構成要素のパラメータと色の関係を求めている. そこでは, 各構成要素から受ける印象には着目しているが, 音楽から受ける印象を深く考慮していないことが多い. さらに, 1楽曲に対して1色を関係付けていることがほとんどである. しかしながら, 楽曲にはその途中で曲調が変化するものが多い. そのため, 従来研究の成果から音楽と色を関係付けると, 感覚的に一致しないことが多かった.音楽の印象は楽曲の進行に伴い変化するものであり, 楽曲に合わせた色との対応を取る際, 楽曲の印象とその変化を考慮する必要があると考える. 本論文では, 楽曲から受ける印象の時系列変化に対応するために, 曲調変化を感知する箇所で楽曲を区切って印象評価を行い, その結果と先行研究で構築した「楽曲と配色間の共通印象を介したメディア変換モデル」を使用し, 感覚的一致度の高い楽曲と配色の組み合わせを実現する.本手法に基づいて, 各々の区間楽曲に対する一番強い印象のみを用いて配色との関係を求めた場合, 組み合わされた区間楽曲と配色の感覚的一致度は全体平均で約58%となった. そこで, 区間楽曲に対する全ての印象を用いて, 区間楽曲に適切な印象を総合的に判断可能なアルゴリズムを提案する. 本アルゴリズムに基づき区間楽曲と配色を組み合わせた結果, 一番強い印象のみを用いる方法と比較して, 約24%の感覚的一致度の向上があることが明らかとなった.
著者
プリマ オキ ディッキ A. 亀田 昌志 伊藤 皓平 伊藤 久祥
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.993-1000, 2011-11-25 (Released:2012-03-28)
参考文献数
11

1986年に登場して以来,JPEGがWebコンテンツやデジタルカメラの記録方式として多く利用されてきている.しかしながら,JPEGには注目領域(ROI)を考慮して,ROIに応じて圧縮率を可変にする機能がない.本稿は,JPEGのアルゴリズムを改良し,ROIを考慮する新しいJPEG画像を生成する手法(ROI-JPEG)を提案する.提案手法では,事前に定義したROIをもとにDCT係数を適応的に量子化することで,画像中のブロックごとの符号量をROIによって柔軟に設定することができるようになる.更に,量子化したDCT係数を逆量子化して劣化したDCT係数を生成し,これらのDCT係数に対して既存のJPEGアルゴリズムで量子化・エントロピー符号化を施すことによって,既存のJPEG復号器を変更することなく,符号化した画像を復号できる.実験では,顕著性マップ生成アルゴリズム(Ittiら,1998)1)を用いてROIを自動生成し,ファイルサイズが小さく,かつ従来のJPEGと同等な主観的品質をもつJPEG画像を作成できることを示した.
著者
佐藤 秀人 亀田 昌志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第70回, no.人工知能と認知科学, pp.519-520, 2008-03-13