著者
二宮 千登志 西内 隆志 平石 真紀 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.571-577, 2008
被引用文献数
1

周年生産されているグロリオサの花芽分化と温度との関係を把握するため,'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を用いて,地温や催芽の温度・期間が花芽の分化に及ぼす影響について検討した.'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'では19.1℃,31.6℃のいずれの地温でも同様の節位で花芽分化したが,'ローズクイーン'の花芽分化節位は19.1℃に比べて31.6℃の地温条件下で著しく高かった.15~40℃で56日間催芽すると,'ミサトレッド'では30℃以下,'トロピカルレッド'では35℃以下で催芽中に花芽分化した.'ローズクイーン'ではいずれの温度でも催芽中には花芽分化せず,基本栄養成長量の大きな品種と考えられた.いずれの品種においても葉分化には30℃かやや低い温度が適したが,花芽分化節位は催芽温度が低いほど低く,花芽分化のための好適温度は葉分化の好適温度より低いと考えられた.さらに,'ミサトレッド'では30℃で25日間,'トロピカルレッド'と'ローズクイーン'では30℃で15日間催芽した後に15℃で15日間処理することにより,30℃で30日間催芽した場合よりも花芽分化節位が低下した.すなわち,30℃条件下に一定以上の期間を置かれると基本栄養成長を脱するが,30℃そのものは花芽分化を抑制する温度であることから,15℃に移すことで速やかに花芽分化したものと考えられた.このように,茎葉の成長を促進させる温度域より,栄養相から生殖相への相転換を促進する温度域が低いことや,相転換に要する期間や基本栄養成長量,高い温度域での相転換の抑制温度が品種によって異なることが,催芽や定植後の温度に対する反応性の品種間差を生じ,花芽分化節位の品種間差異として現れたものと考えられた.<br>
著者
二宮 千登志 西内 隆志 平石 真紀 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.571-577, 2008-10-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

周年生産されているグロリオサの花芽分化と温度との関係を把握するため,'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を用いて,地温や催芽の温度・期間が花芽の分化に及ぼす影響について検討した.'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'では19.1℃,31.6℃のいずれの地温でも同様の節位で花芽分化したが,'ローズクイーン'の花芽分化節位は19.1℃に比べて31.6℃の地温条件下で著しく高かった.15~40℃で56日間催芽すると,'ミサトレッド'では30℃以下,'トロピカルレッド'では35℃以下で催芽中に花芽分化した.'ローズクイーン'ではいずれの温度でも催芽中には花芽分化せず,基本栄養成長量の大きな品種と考えられた.いずれの品種においても葉分化には30℃かやや低い温度が適したが,花芽分化節位は催芽温度が低いほど低く,花芽分化のための好適温度は葉分化の好適温度より低いと考えられた.さらに,'ミサトレッド'では30℃で25日間,'トロピカルレッド'と'ローズクイーン'では30℃で15日間催芽した後に15℃で15日間処理することにより,30℃で30日間催芽した場合よりも花芽分化節位が低下した.すなわち,30℃条件下に一定以上の期間を置かれると基本栄養成長を脱するが,30℃そのものは花芽分化を抑制する温度であることから,15℃に移すことで速やかに花芽分化したものと考えられた.このように,茎葉の成長を促進させる温度域より,栄養相から生殖相への相転換を促進する温度域が低いことや,相転換に要する期間や基本栄養成長量,高い温度域での相転換の抑制温度が品種によって異なることが,催芽や定植後の温度に対する反応性の品種間差を生じ,花芽分化節位の品種間差異として現れたものと考えられた.<br>
著者
二宮 千登志 高野 恵子 笹岡 伸仁
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.417-423, 2007-07-15

周年生産されているグロリオサの塊茎肥大と休眠の様相を把握するため,12月2日,4月3日,7月3日にそれぞれ'ミサトレッド','トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を定植し,新塊茎の肥大と休眠の推移を調査した.その結果,新塊茎は7月に定植して栽培した場合に最も短期間で肥大し,12月に定植して栽培した場合には肥大が緩慢であった.しかし,4月や7月に定植した場合には二次肥大塊茎が生じ,特に'トロピカルレッド'や'ローズクイーン'で多かった.新塊茎の休眠は,12月に定植した場合には品種にかかわらず,定植後徐々に休眠が深まり,開花期前後に最も深くなった後,再び浅くなった.しかし,4月や7月に定植した場合には,'トロピカルレッド'では開花期頃に深くなった休眠が時間の経過とともにさらに深くなり,'ローズクイーン'では開花期頃に深くなった休眠がその後の立毛中により深くなったり,浅くなったりと一定の傾向を示さなかった.