著者
プラノーム ヤンカンマン 深井 誠一 市村 一雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.337-341, 2005
被引用文献数
7

STS無処理または処理のカーネーション (品種エクセリア) の切り花を用い, 24℃または32℃で品質保持とエチレン生成を比較した. 24℃では, STS処理によりカーネーションの品質保持期間は延長され, STS無処理のカーネーションでは, 処理9日後から花弁のin-rollingが観察された. 32℃ではSTS無処理のカーネーションにおいても, 処理14日後でもなお花弁のin-rollingが認められず, STS処理した区と同等の品質保持期間を示した. STS無処理のカーネーションでは, 24℃では処理8-9日後にエチレン生成のピークが認められたが, 32℃ではごく微量のエチレン生成にとどまった. 32℃に1日置きその後24℃に移した区では, 24℃一定の区と同様のエチレン生成のピークが認められた. 一方, 24℃に1~5日おき, その後32℃に移した区ではエチレン生成はごく微量であった. 以上の結果より, カーネーションの切り花は, 32℃におかれた場合, エチレン生成が抑えられることが明らかとなった.
著者
深井 誠一 辻 恵太
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.447-452, 2004-09-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

四種のアジア原産トランペットユリ(Liliumcentifolium centifolium, L. sargentiae, L. wallichianum, and L. regale 'Album')をシンテッポウユリ(L. × formolongi)品種ホワイトランサーに花柱切断法で交配した.子房胚珠培養法と胚培養を行い雑種植物体の獲得数を比較した.いずれの交配組合せでも子房胚珠培養法でより多くの交雑植物が得られた. rDNAのPCR-RFLP分析により,幼植物の雑種性が確認された.得られた交雑植物は,いずれも白色トランペット型の花をつけ,花粉稔性は低かった.
著者
深井 誠一 ノンタサワッシ チャルムシ 内山 加賀里
出版者
香川大学
雑誌
香川大学農学部学術報告 (ISSN:03685128)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.1-6, 2006-02-15

高い再生能力を有するダイアンサス'テルスタースカーレット'のカルスを用いた形質転換系を検討した。カルスを5mMのグルコースと50mMのアセトシリンゴンだけで湿らせたろ紙上で共存培養することにより、アグロバクテリアの感染が向上した。接種したカルスをG-418濃度を段階的に20-80mg/lに上げた再生培地上で選抜することにより形質転換体を獲得した。形質転換体の一部はin viroで早期開花を示した。また約10%の転換体が四倍体であった。順化した植物は正常に生育・開花し、さらに他のナデシコ属植物と交配することにより形質転換した後代が得られた。
著者
Yangkhamman Pranom 深井 誠一 市村 一雄
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.337-341, 2005-07-15
参考文献数
15

STS無処理または処理のカーネーション(品種エクセリア)の切り花を用い, 24℃または32℃で品質保持とエチレン生成を比較した.24℃では, STS処理によりカーネーションの品質保持期間は延長され, STS無処理のカーネーションでは, 処理9日後から花弁のin-rollingが観察された.32℃ではSTS無処理のカーネーションにおいても, 処理14日後でもなお花弁のin-rollingが認められず, STS処理した区と同等の品質保持期間を示した.STS無処理のカーネーションでは, 24℃では処理8-9日後にエチレン生成のピークが認められたが, 32℃ではごく微量のエチレン生成にとどまった.32℃に1日置きその後24℃に移した区では, 24℃一定の区と同様のエチレン生成のピークが認められた.一方, 24℃に1~5日おき, その後32℃に移した区ではエチレン生成はごく微量であった.以上の結果より, カーネーションの切り花は, 32℃におかれた場合, エチレン生成が抑えられることが明らかとなった.
著者
ヤンカンマン プラノーム 深井 誠一 市村 一雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.337-341, 2005-07-15

STS無処理または処理のカーネーション(品種エクセリア)の切り花を用い, 24℃または32℃で品質保持とエチレン生成を比較した.24℃では, STS処理によりカーネーションの品質保持期間は延長され, STS無処理のカーネーションでは, 処理9日後から花弁のin-rollingが観察された.32℃ではSTS無処理のカーネーションにおいても, 処理14日後でもなお花弁のin-rollingが認められず, STS処理した区と同等の品質保持期間を示した.STS無処理のカーネーションでは, 24℃では処理8-9日後にエチレン生成のピークが認められたが, 32℃ではごく微量のエチレン生成にとどまった.32℃に1日置きその後24℃に移した区では, 24℃一定の区と同様のエチレン生成のピークが認められた.一方, 24℃に1〜5日おき, その後32℃に移した区ではエチレン生成はごく微量であった.以上の結果より, カーネーションの切り花は, 32℃におかれた場合, エチレン生成が抑えられることが明らかとなった.
著者
二宮 千登志 西内 隆志 平石 真紀 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.571-577, 2008
被引用文献数
1

周年生産されているグロリオサの花芽分化と温度との関係を把握するため,'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を用いて,地温や催芽の温度・期間が花芽の分化に及ぼす影響について検討した.'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'では19.1℃,31.6℃のいずれの地温でも同様の節位で花芽分化したが,'ローズクイーン'の花芽分化節位は19.1℃に比べて31.6℃の地温条件下で著しく高かった.15~40℃で56日間催芽すると,'ミサトレッド'では30℃以下,'トロピカルレッド'では35℃以下で催芽中に花芽分化した.'ローズクイーン'ではいずれの温度でも催芽中には花芽分化せず,基本栄養成長量の大きな品種と考えられた.いずれの品種においても葉分化には30℃かやや低い温度が適したが,花芽分化節位は催芽温度が低いほど低く,花芽分化のための好適温度は葉分化の好適温度より低いと考えられた.さらに,'ミサトレッド'では30℃で25日間,'トロピカルレッド'と'ローズクイーン'では30℃で15日間催芽した後に15℃で15日間処理することにより,30℃で30日間催芽した場合よりも花芽分化節位が低下した.すなわち,30℃条件下に一定以上の期間を置かれると基本栄養成長を脱するが,30℃そのものは花芽分化を抑制する温度であることから,15℃に移すことで速やかに花芽分化したものと考えられた.このように,茎葉の成長を促進させる温度域より,栄養相から生殖相への相転換を促進する温度域が低いことや,相転換に要する期間や基本栄養成長量,高い温度域での相転換の抑制温度が品種によって異なることが,催芽や定植後の温度に対する反応性の品種間差を生じ,花芽分化節位の品種間差異として現れたものと考えられた.<br>
著者
二宮 千登志 西内 隆志 平石 真紀 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.571-577, 2008-10-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

周年生産されているグロリオサの花芽分化と温度との関係を把握するため,'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'および'ローズクイーン'を用いて,地温や催芽の温度・期間が花芽の分化に及ぼす影響について検討した.'ミサトレッド'と'トロピカルレッド'では19.1℃,31.6℃のいずれの地温でも同様の節位で花芽分化したが,'ローズクイーン'の花芽分化節位は19.1℃に比べて31.6℃の地温条件下で著しく高かった.15~40℃で56日間催芽すると,'ミサトレッド'では30℃以下,'トロピカルレッド'では35℃以下で催芽中に花芽分化した.'ローズクイーン'ではいずれの温度でも催芽中には花芽分化せず,基本栄養成長量の大きな品種と考えられた.いずれの品種においても葉分化には30℃かやや低い温度が適したが,花芽分化節位は催芽温度が低いほど低く,花芽分化のための好適温度は葉分化の好適温度より低いと考えられた.さらに,'ミサトレッド'では30℃で25日間,'トロピカルレッド'と'ローズクイーン'では30℃で15日間催芽した後に15℃で15日間処理することにより,30℃で30日間催芽した場合よりも花芽分化節位が低下した.すなわち,30℃条件下に一定以上の期間を置かれると基本栄養成長を脱するが,30℃そのものは花芽分化を抑制する温度であることから,15℃に移すことで速やかに花芽分化したものと考えられた.このように,茎葉の成長を促進させる温度域より,栄養相から生殖相への相転換を促進する温度域が低いことや,相転換に要する期間や基本栄養成長量,高い温度域での相転換の抑制温度が品種によって異なることが,催芽や定植後の温度に対する反応性の品種間差を生じ,花芽分化節位の品種間差異として現れたものと考えられた.<br>
著者
深井 誠一 五井 正憲
出版者
香川大学農学部
雑誌
香川大学農学部学術報告 (ISSN:03685128)
巻号頁・発行日
vol.53, no.106, pp.25-29, 2001-03
被引用文献数
1

一重咲きタイプのバレリーナ,八重咲きタイプのアンジェリケ,枝咲きタイプのオレンジブーケの3品種のチューリップの花芽分化を走査型電子顕微鏡で観察した.バレリーナの場合,3枚の普通葉を分化した後茎頂が肥大し,その外花被,内花被,雄ずい第1環,第2環の順で3つずつの原基が分化した.その後茎頂の中央部は三角形になり,その頂部がへこみ始め雌ずいへと分化した.雄ずいが伸長し雌ずいを囲みその後花被が伸長して全体を覆った.八重咲きのアンジェリケでは,花被の分化に引き続き多数の突起状の原基が分子し,そのうち外側の多くは花被化し内側のいくつかは雄ずい化した.枝咲きのオレンジブーケでは中心の花芽の分化完成後,腋芽の茎頂は1枚の普通葉を分化した後花芽を分化した.
著者
工藤 陽史 山口 茂 佐渡 旭 栗山 孝浩 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.363-369, 2012
被引用文献数
1

発蕾期以降が短日期となる熊本県のトルコギキョウ冬出し栽培において,開花と花蕾のブラスチングおよび茎伸長に及ぼす電照の影響を検討した.実験1では,'ロジーナローズピンク'と'ピッコローサスノー'を供試し,白熱電球を用いた暗期中断の影響を定植直後から検討した.その結果,主茎頂花の発達が促進されるとともに,自然日長よりブラスチングの発生が減少した.実験2では,'ボレロホワイト'を供試し,2次小花と3次小花を調査対象として,白熱電球と蛍光灯を用いた明期延長(20時間日長)の影響を主茎頂花の発蕾期以降に検討した.また,2次小花の花芽形成期および花芽成熟期に,白熱電球による明期延長処理を行った.その結果,主茎頂花の発蕾期以降の白熱電球による明期延長によって,2次小花の開花時期は影響を受けなかったが,ブラスチングの発生は減少し,切り花長は長くなった.また,3次花柄長は花芽形成期の電照で短く,花芽成熟期の電照で長くなった.以上より,白熱電球を用いた明期延長でブラスチングの発生が減少し,商品花蕾数を増加できることが明らかとなった.<br>
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012
被引用文献数
1 3

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる.西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した.夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した.昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した.定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった.また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた.これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった.さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80 cm以上,切り花重40 g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった.<br>
著者
野崎 香樹 村本 智香 高村 武二郎 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.123-128, 2006-06-15
被引用文献数
1 6

アプリコット色花系および覆輪花スプレーギクにおける花色が作期または栽培温度により変化する様相を明らかにするため,各作期または各温度下で開花した花色を測定し,舌状花のアントシアニンおよびカロテノイド量を測定した.アプリコット色花系品種では6/30作期または30℃処理区で黄色味の花色を呈し,a値が減少し,bおよびh値が増加した.覆輪花品種は,高温下で赤色部位が淡色化または消失し,作期または温度間で覆輪割合が変動した.覆輪の発現には(1)高温下で赤色部位が減退することで花弁先端に白色部位が出現する品種(2)涼温下で赤色部位が増加することで明瞭な覆輪が出現する品種の2つのパターンが見られた.いずれの品種においても赤色花キクの主要花色素であるCy3-6"-MMGおよびCy3-3",6"-DMGが主要アントシアニンとしてHPLCにより検出された.また,多くの品種ではカロテノイド量は温度による影響は少なく,2つの主要アントシアニンの増減によってアプリコット色花系品種の花色および覆輪花系品種の覆輪割合の変動が生じるものと考えられた.
著者
深井 誠一 辻 恵太
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.447-452, 2004-09-15
被引用文献数
2 5

四種のアジア原産トランペットユリ(Liliumcentifolium centifolium, L. sargentiae, L. wallichianum, and L. regale 'Album')をシンテッポウユリ(L. × formolongi)品種ホワイトランサーに花柱切断法で交配した.子房胚珠培養法と胚培養を行い雑種植物体の獲得数を比較した.いずれの交配組合せでも子房胚珠培養法でより多くの交雑植物が得られた. rDNAのPCR-RFLP分析により,幼植物の雑種性が確認された.得られた交雑植物は,いずれも白色トランペット型の花をつけ,花粉稔性は低かった.
著者
工藤 陽史 山口 茂 福田 直子 菊池 竜也 佐渡 旭 深井 誠一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.343-349, 2012-07-15

西南暖地におけるトルコギキョウの冬出し栽培では,開花の遅延回避と草丈の確保が問題となる。西南暖地の冬出し栽培では,定植後の一定期間に加温を必要としないことに着目し,高昼温管理による生育促進技術を検討した。夜温を15℃一定とし,昼温25または30℃に設定した自然光型ファイトトロンで,中早生品種'ボレロホワイト'を定植~切り花収穫まで栽培した。昼温25℃区に比べて昼温30℃区で主茎伸長が促進され,早期に発蕾して開花した。定植60日後までの茎葉の乾物重は,昼温30℃で重い傾向にあった。また,下位節の節間伸長は,定植40日後までに決定されていた。これらの効果を実際の栽培で確認するため,施設の換気温度を25と30℃に設定したガラス温室で,初期生育と発蕾日に及ぼす影響を検討した結果,30℃が25℃と比較して生育は促進したが発蕾日に差はなかった。さらに,9月22日定植と9月29日定植の2回の栽培で,定植から約40日程度の施設の換気温度を30℃に設定した高昼温管理が,収穫日と切り花品質に及ぼす影響の検討を行った結果,初期生育が促進し,9月22日定植で2月上旬,9月29日定植で2月中旬に切り花長80cm以上,切り花重40g以上確保された切り花が得られることが明らかとなった。
著者
高村 武二郎 深井 誠一
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,青紫色花シクラメンと紫色花シクラメンの花弁slip部分では,いずれにおいてもマルビジン3,5ジグルコシドを主要アントシアニンとするものの,青紫色花シクラメンでは,花弁細胞の高いpHにより花弁が青色化していることを明らかにした.また,シクラメンにおいて花弁のpHが高くなり青色化する形質は,単一の劣性遺伝子に支配されている可能性が高いことを示唆した.
著者
張 偉 深井 誠一 五井 正憲
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.347-351, 1998-05-15
被引用文献数
3 1

日本産野生ギク7種(キクタニギク, シマカンギク, リュウノウギク, サツマノギク, アシズリノジギク, イソギク, ナカガワノギク)について頭状花序の分化・発達過程を走査型電子顕微鏡で観察した.頭状花序の分化は, 未分化, ドーム形成, 総包形成前期・後期, 小花原基形成前期・後期, 花冠形成前期・中期・後期の9段階に区別できた.頭状花序の分化時期, 発達スピードおよび開花時期は種によって異なった.筒状花の発達過程において, 雄ずいの分化前に花筒が閉じる種と分化後に花筒が閉じる種が見られた.
著者
野崎 香樹 深井 誠一 高村 武二郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.197-201, 2005-06-15
被引用文献数
2

ピンク色花系スプレーギクにおける花色と栽培時期との関係を明らかにするために, 各作期に開花した花序の様相と花色を評価し, 舌状花のアントシアニン量を測定することでアントシアニンがピンク色花系スプレーギクの花色に及ぼす影響を検討した.2001〜2002年, 2003年共に高温期の6/30作期で秋ギク型品種の到花日数が増加した.花序径は夏秋ギク, 秋ギクを問わず, 6/30作期で減少し, 舌状花数は増加傾向を示した.色差計により求めた白色花系品種と黄色花系品種におけるL^*a^*b^*の値は, 作期間で差異が生じたものの, 肉眼による観察では作期間で花色の変化はほとんど無かった.一方, 'チャトー'を除くピンク色花系品種では9/24作期でL^*値, b^*値が小さく, a^*値, c^*値が著しく大きくなった.また, 高温期の6/30作期では9/24作期の値と逆の傾向を示し, 肉眼による観察においても作期間で大きく花色が変化した.'チャトー'では他のピンク色花系品種と同様な傾向を示したが, 作期間における各値の差異は小さかった.ピンク色花系品種では赤色花キクの主要花色素であるCy3-6"-MMGおよびCy3-3", 6"-DMGが主要アントシアニンとしてHPLCにより検出された.また, 作期間でアントシアニンの構成に変化は無く, これら2つの主要花色素の増減によってピンク色花の花色を決定することが示された.
著者
野崎 香樹 深井 誠一 高村 武二郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.197-201, 2005-06-15
参考文献数
15
被引用文献数
2 8

ピンク色花系スプレーギクにおける花色と栽培時期との関係を明らかにするために, 各作期に開花した花序の様相と花色を評価し, 舌状花のアントシアニン量を測定することでアントシアニンがピンク色花系スプレーギクの花色に及ぼす影響を検討した. 2001~2002年, 2003年共に高温期の6/30作期で秋ギク型品種の到花日数が増加した. 花序径は夏秋ギク, 秋ギクを問わず, 6/30作期で減少し, 舌状花数は増加傾向を示した. 色差計により求めた白色花系品種と黄色花系品種におけるL<sup>*</sup>a<sup>*b</sup>*の値は, 作期間で差異が生じたものの, 肉眼による観察では作期間で花色の変化はほとんど無かった. 一方, &lsquo;チャトー&rsquo;を除くピンク色花系品種では9/24作期でL<sup>*</sup>値, b<sup>*</sup>値が小さく, a<sup>*</sup>値, c<sup>*</sup>値が著しく大きくなった. また, 高温期の6/30作期では9/24作期の値と逆の傾向を示し, 肉眼による観察においても作期間で大きく花色が変化した. &lsquo;チャトー&rsquo;では他のピンク色花系品種と同様な傾向を示したが, 作期間における各値の差異は小さかった. ピンク色花系品種では赤色花キクの主要花色素であるCy3-6&rdquo;-MMGおよびCy3-3&rdquo;, 6&rdquo;-DMGが主要アントシアニンとしてHPLCにより検出された. また, 作期間でアントシアニンの構成に変化は無く, これら2つの主要花色素の増減によってピンク色花の花色を決定することが示された.