著者
五十嵐 勝朗
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.235-239, 2007-04-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
6

新生児には出生直後から, 生きていくための力, すなわち反射が備わっていて, すぐにさまざまな動きをする. 原始反射(新生児反射)は健常な新生児に観察される反射的行動で, 健常な新生児では中枢神経系の発達とともに多くは生後4-5ヵ月で消失する.新生児は胎内あるいは母乳を通して母親から闘う力を得ているが, ウイルスや細菌などに対して自ら闘うほどの力は持っていない. 成長過程において, ウイルスや細菌などに対して白血球が増加したり, 抗体をつくってウイルスや細菌などを排除できるように徐々に力をつけていく.新生児は3-4時間の授乳リズムで寝たり起きたりして過ごし, 昼夜の区別はあまりなく, 1日20時間近く眠る. 睡眠と覚醒が昼夜の周期に同期するようになるのは生後2-3ヵ月頃からである.
著者
中道 静郎 秋元 義巳 五十嵐 勝朗 黒沼忠 由樹 小出 信雄 大竹 進 成田 俊介
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.751-754, 1988-08-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
3

DMDの3症例を紹介する. 発病年令は2~3才, 入院時年令は4~9才, ステージV到達年令は9~10才, ステージVよりVIIまでの到達期間は平均8年であり, 身長, 体重とも健常男子に比すると著しく低下していた. 肺活量(VC)は末期に610±25ccまで低下し, 2例が気管切開を受けた. CPK, LDH, アルドラーゼ, GOT, GPTなどの血清酵素は入院時非常に高く, 病勢の進行とともに漸減していつた. PaO2の低下とPaCO2の上昇が末期に顕著で, 血液は呼吸性アシドーシスとなり, 意識混濁, 頭重, 失見当識の状態になつた. 頻回の喀痰喀出困難のため体位ドレナージ, バイブレーター, タツピングなどにより排痰を図つた. 3例はそれぞれ呼吸不全, 肺炎, 気管無名動脈瘻よりの大出血で死亡した.