著者
中道 静郎 秋元 義巳 五十嵐 勝朗 黒沼忠 由樹 小出 信雄 大竹 進 成田 俊介
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.751-754, 1988-08-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
3

DMDの3症例を紹介する. 発病年令は2~3才, 入院時年令は4~9才, ステージV到達年令は9~10才, ステージVよりVIIまでの到達期間は平均8年であり, 身長, 体重とも健常男子に比すると著しく低下していた. 肺活量(VC)は末期に610±25ccまで低下し, 2例が気管切開を受けた. CPK, LDH, アルドラーゼ, GOT, GPTなどの血清酵素は入院時非常に高く, 病勢の進行とともに漸減していつた. PaO2の低下とPaCO2の上昇が末期に顕著で, 血液は呼吸性アシドーシスとなり, 意識混濁, 頭重, 失見当識の状態になつた. 頻回の喀痰喀出困難のため体位ドレナージ, バイブレーター, タツピングなどにより排痰を図つた. 3例はそれぞれ呼吸不全, 肺炎, 気管無名動脈瘻よりの大出血で死亡した.