著者
井上 真二 山田 茂
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.40-46, 2010-01-01
被引用文献数
1

現実のソフトウェア開発では,通常,契約時に納期が決定される.したがって,ソフトウェア製品の最終的な品質/信頼性の確認作業が行われる総合テストは,テスト作業を時間内に効率的に完了しなくてはならない.通常,テスト期間中のフォールト修正作業に要する労力は,テストに要するコストは去ることながら,運用段階におけるソフトウェア保守コストに影響を与える.これら2つのコストはトレードオフの関係にあるため,開発管理者は最適なテスト労力投入量に関するソフトウェア開発管理面からの問題に興味をもつ.本稿では,最近になって提案された2次元ソフトウェア信頼度成長モデルに基づきながら,テスト期間が一定である状況において総期待ソフトウェアコストを最小化するテスト労力投入量を求めるソフトウェア開発管理面からの問題について議論する.