著者
井出 吉信
出版者
東京歯科大学学会
雑誌
齒科學報 (ISSN:00373710)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.324-330, 2009-06-30
著者
會本 弘一郎 田松 裕一 井出 吉信
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.213-224, 2000-06-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
60

上顎骨を中心とする顔面頭蓋における外面緻密質の局所的な縦弾性係数を測定するとともに, 組織構造との関係を考察した。成人男性乾燥頭蓋骨において, 眼窩周囲, 梨状口周囲, 頬骨下稜, 犬歯窩, 歯槽突起の5カ所の測定領域を設定し, 各部位から微小試験片を採取して3点曲げ試験を行い, 試験後に顕微鏡にて試験片表面を観察した。縦弾性係数の値は, 眼窩周囲の辺縁方向 (M) で11.9±3.9GPa, 直交方向 (P) で9.0±3.3GPaであった。同様に, 梨状口周囲は12.6±4.1GPa (M), 10.4±3.2GPa (P), 頬骨下稜部は14.8±3.4GPa (M), 7.2±2.8GPa (P) であった。犬歯窩は, 上下方向 (V) が11.9±3.3GPa, 水平方向 (H) が10.8±3.7GPaであった。同様に, 歯槽突起は9.2±4.1GPa (V), 7.6±4.3GPa (H) であった。顕微鏡による観察では, 値が大きい部位では層板構造が明瞭で密な骨構造を呈し, 値が小さい部位では層板構造は不明瞭で空孔に富む粗槌な構造を呈していた。
著者
小杉 憲吾 阿部 伸一 井出 吉信
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.67-78, 2000-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

オトガイ神経の走行形態を立体的に保存し観察するため, シリコン含浸標本を作製した。試料として東京歯科大学解剖学教室所蔵10%ホルマリン固定成人遺体24体45側を用いた。オトガイ神経の断端より末梢側に向かい剖出し, 口角枝, 下唇枝, オトガイ枝の走行の観察, 分類を行ったところ以下の結果を得た。口角枝は, オトガイ孔より出現後ただちに口角部の皮膚または粘膜に停止するもの (I型) と下唇内に侵入し下唇外側粘膜下を彎曲して走行するもの (II型) に大別された。下唇枝は, オトガイ孔より下唇正中に向かい斜走するもの (I型) とその上外方を軽度に彎曲して走行するもの (II型) に分かれた。オトガイ枝は, オトガイ孔より横走しオトガイ部に停止するもの (I型) と正中付近にて下唇方向に転じ上方に向かうもの (II型) が認められた。これらの分布領域および走行方向を検討したところ, 分布密度が低く安全性が高い部位が示唆された。