著者
井口 亜希人 辻 寧英
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.6, pp.193-199, 2022-06-01

光通信システムの基本要素である光回路デバイスの極限までの高性能化を達成する手段として,形状・トポロジーまで含めた自由度の高い設計手法の活用が盛んに検討されている.本論文では,数値計算手法として,近似的手法であるが計算効率の飛躍して高いビーム伝搬法を活用した,特性感度に基づく形状・トポロジー最適設計技術とその適用例を示す.本設計アプローチでは,離散セルごとに割り当てられた正規化密度を媒介(設計)変数として導波路の材料分布を表現し,設計変数に対する特性感度計算を行う.ビーム伝搬法による特性解析,感度計算,及び勾配法による材料分布の更新を繰り返し,所望の特性の最大化を行う.パワー分岐素子や交差導波路のような基本的な回路要素の設計を行い,本設計手法の有効性を確認する.