著者
井山 俊郎
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.237-257, 1981-09

この論文では、一方の工程が複数個の指数作業時間を持つステーションから成る2工程生産ラインを解析する。最初に、このラインを隠れマルコフモデルとして解析し、生産率、平均仕掛品数等を解析する手順が示される。また、双対モデルに対する解析手順も示され、双対モデル間の種々の関係が議論される。この結果、一方の生産ラインの特性はその双対モデルから完全に求められることが明らかとなる。次に、ステーション数の生産率に及ぼす影響を調べるため仮想Buffer容量なる尺度が導入される。この結果、仮想BUffer容量はステーション数の影響を端的に表わすこと、さらにこの仮想Buffer容動機型の漸近線を持ちしかもこの漸近線は仮想Buffer容量を精度よく近似していることが示される。最後に、この仮想Buffer容量の漸近線を求める簡単な手順が示される。