著者
武久 洋三 武久 敬洋 大和 薫 倉本 悦子 井川 誠一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.107-113, 2012 (Released:2012-03-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

目的:脱水患者に対する間歇的な補液投与(以下間歇的補液療法と記す)の有効性を証明する.独自に作製した経消化管補液剤であるHeisei Solution Water(以下HSWと略す)の有効性を証明する.方法:当院および関連病院計13病院に入院した1,921例中脱水が疑われた375症例を抽出し,このうち36例に間歇的補液療法を行った.これらの補液投与経路を(1)経消化管投与(16例)(2)点滴投与(10例)(3)経消化管投与と点滴投与の併用(10例)の3群に分類し3群間のBUN/Cr比を比較した.結果:(1)(2)(3)のいずれの群でもBUN/Cr比は改善していた.3群間のBUN/Cr比改善に有意差は認められなかった.結論:間歇的補液療法は脱水治療に非常に効果的であった.HSWを使用した経消化管間歇的補液療法は他の投与群と同様に有効であった.