著者
米沢 高明 井手 慎司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
no.34, pp.117-122, 2006

本研究では, 滋賀県における自然を活用した環境学習 (自然環境学習) と学校ビオトープ整備に関する実態を把握するために同県全小中学340校を対象にアンケート調査を実施した. その結果, 1) 有効回答150校のうち95%が校外で, 71%が校内と校外の両方で自然環境学習を実施しており, 2) 校内では, 理科や生活の教科の中で陸上の動植物調査や野鳥観察などを, 校外では, 学校から徒歩20分以内の近距離の場所で, 総合的学習の時間の中で水質調査や水生生物調査, 川の流れ学習などを主に実施している, また3) ビオトープは回答校のうち17校 (11%) に整備されており, 同整備校は, 校外での自然環境学習にも長時間取り組んでいる, といった実態が明らかになった.
著者
平山 奈央子 川津 優貴 井手 慎司
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.13-21, 2011

本研究では、滋賀県政世論調査を分析対象として、先ず、回答者の属性割合の経年変化と属性間の関係性を把握した。次に、琵琶湖を含む県の水環境に対する意識を尋ねた質問の回答に関するクロス集計の結果から、回答者の属性による回答傾向の違いを把握した。これらに加えて、同回答傾向を全国的な世論調査の結果から把握した回答傾向と比較することで、滋賀県の水環境に対する県民世論の長期的な変遷を把握することを試みた。その結果、1982年から2009年にかけて「水環境を守る施策に対する満足度が高い」、「今後、琵琶湖の保全施策に取り組むべき」、「水を汚さないための行動をとる」などの回答傾向をもつ滋賀県民の割合が増加してきたことが推察された。また、長期的な世論の変遷を把握する分析手法の開発につながる示唆を得られたと考えられる。