著者
井手尾 俊宏 杉本 学
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第40回ケモインフォマティクス討論会 山口
巻号頁・発行日
pp.P14, 2017 (Released:2017-10-19)
参考文献数
4

Fatty Acid Synthase (FAS) 阻害剤である33 個の分子について電子状態計算を行い、電子的類似度を算出して、各分子の活性を示す数値(半数阻害濃度)との相関を調べた。また、分子の構造的類似度についても同様に半数阻害濃度の数値との相関を確認した。電子的類似度の相関係数は0.79、構造的類似度の相関係数は0.47 となった。従って、今回検討した分子群の薬理活性に対しては、電子的類似度がより優れた記述子であると言える。
著者
井手尾 俊宏 岩根 陵 杉本 学
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.126-127, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
1

計算化学の発展に伴い、様々な化学物質の電子状態情報を容易に得られるように なった。しかし、それらのデータを効率的に活用するためには、多くの計算結果を集積・整理し、必要なデータに焦点を当てて探索できる必要 がある。そこで本研究では、計算結果を集積・整理する機能を備えたデータベースを構築し、さらに分子に関する概念情報を集積するためのシ ステムを実装した。また、登録された分子のうち、抗ガン剤や発ガン性物質などの「ガン」に関連するものについて、UV/visスペクトルやIRスペクトル、バンドギャップなどの8種類の数値から算出した量子化学的類似度を使用してクラスター解析を行い、分子 の性質による分類を試みた。クラスタリングの結果、8種全ての指標を使用するよりも、IRスペクトルと振動数スペクトル、励起エネルギースペクトル、軌道エネルギースペクトルの4つの指標を使用した場合の方が、抗ガン剤と発ガン性物質を含んだ分子群から発ガン性物質を抽出する精度が高い という結果が得られた。