著者
井沢 知旦 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1021-1026, 2002-10-25 (Released:2017-11-07)
参考文献数
12

この論文は、一級河川五条川を対象に、住民組織と自治体とがパートナーシップを組んで河川環境を改善し、管理運営している事例の分析を通じて、公共空間の公共一元管理から地域共同管理・運用への移行の可能性を明らかにしたものである。結論は次の通りである。(1)身近な川の環境改善に向けて市民有志が取り組み始めたことを契機に、(2)目的的組織を立ち上げ、広く市民を巻き込んで活動し、実績を積み上げていく中で、市民と行政の信頼を得、(3)住民組織と行政のパートナーシップによって、河川管理者に、地域の要望をつきつけるだけでなく、自らの企画力と行動力で公共空間の整備および管理・運用に関わる高い活動力を認知させることが可能となった。