著者
仁村 優希 佐伯 和子 青柳 道子
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.268-277, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
23

目的:大都市における高齢者の見守られ意向および見守られたい相手の関連要因を明らかにすることを目的とする.方法:対象は5町内会の65歳以上の高齢者とした.無記名自記式質問紙を用いて,個人属性,町内の人との交流,見守られの現状,見守られへの期待と心配,見守られることに対する意識を調査した.関連要因の分析は,χ2検定,Fisherの直接確率検定を用いた.結果:回収数は526部,有効回答数は511部だった.74.0%に見守られたい意向があった.住民から見守られたいという希望は,安心感の獲得と人とのつながりの期待が有意に高かった.介護や保健医療の専門職の希望は,生活の維持への期待が高かった.生活支援サービスや機器によるシステムの利用希望は,他者からの干渉と相手を信頼できないことの心配が高かった.考察:高齢者は見守る側との関係性を考慮し,見守られへの期待と心配の内容により見守られたい相手を選択していると考えられる.