著者
鷲見 尚己 青柳 道子 矢野 理香
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

我々は、がんから自分の健康を守るための新しいがん教育の方法論について、ピアサポートを活用し児童生徒の視点を重視して開発と評価を行うことを研究目的とした。今回、検討した新しいがん教育の方策は、児童生徒自身が睡眠や食事などの自分自身の生活での問題点、環境要因に関する問題点を見出すことは児童生徒自身のがん予防への関心を引き出し、児童生徒自身のがんに関する知識の向上、健康やがんに関する価値信念、健康行動の向上などの効果を示した。同時に、彼らの家族などの周囲の人々の健康に関する意識と行動を変化させる効果も示された。このことは、コミュニティベースでのがん予防教育につながる新しい知見であると考えられた。
著者
仁村 優希 佐伯 和子 青柳 道子
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.268-277, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
23

目的:大都市における高齢者の見守られ意向および見守られたい相手の関連要因を明らかにすることを目的とする.方法:対象は5町内会の65歳以上の高齢者とした.無記名自記式質問紙を用いて,個人属性,町内の人との交流,見守られの現状,見守られへの期待と心配,見守られることに対する意識を調査した.関連要因の分析は,χ2検定,Fisherの直接確率検定を用いた.結果:回収数は526部,有効回答数は511部だった.74.0%に見守られたい意向があった.住民から見守られたいという希望は,安心感の獲得と人とのつながりの期待が有意に高かった.介護や保健医療の専門職の希望は,生活の維持への期待が高かった.生活支援サービスや機器によるシステムの利用希望は,他者からの干渉と相手を信頼できないことの心配が高かった.考察:高齢者は見守る側との関係性を考慮し,見守られへの期待と心配の内容により見守られたい相手を選択していると考えられる.