著者
仁科 圭介 佐藤 未来子 並木 美太郎
雑誌
第53回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.29-36, 2012-01-06

Flash SSD(Solid-State Drive, 以下SSD)は、HDD(Hard Disk Drive)に比べランダムアクセス性能が高く、省電力であるという特徴を持つが、SSDの容量単価はHDDに比べて高く、SSDをコスト効率よく計算機システムの高速化や省電力化に李用する方式が課題である。本研究では、HDDのみで運用されている計算機のディスクアクセスを高速化するために新たにSSDを追加する場合を想定し、SSDをHDDのディスクキャッシュとして用いる方式を提案し、この方式を実現するLinuxデバイスドライバの設計・実装を行った。本稿では本デバイスドライバにこれまでに実装した機能について概説するとともに、新たに実装した、SSD内にキャッシュされた書き込みデータ(ダーティデータ)の追い出しによる性能低下に対処する改善策の設計、実装と評価を示す。評価では、ダーティデータの追い出しを遅延し、ストレージデバイスへの負荷を分散させることでアクセス性能の改善を実現した。
著者
坂本 龍一 仁科 圭介 佐藤 未来子 並木 美太郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1389-1403, 2014-04-15

SSD(Solid-State Drive,以下SSD)は,HDD(Hard Disk Drive)に比べランダムアクセス性能が高く,省電力であるという特徴を持つが,SSDの容量単価はHDDに比べて高く,SSDをコスト効率良く計算機システムの高速化や省電力化に利用する方式が課題である.本論文では,SSDをHDDのディスクキャッシュとして用いるSSDディスクキャッシュシステムにおいて,省電力化のためにHDDの電源制御を行う手法を提案する.SSDをHDDのディスクキャッシュとして用い,SSD上のディスクキャッシュヒット率が高く,HDDをアクセスしないときの待機時間を検出して,自動的にHDDをスピンダウンし省電力化を行う.本ディスクキャッシュと電源制御機構をLinuxのブロックデバイスドライバとして実装し,評価を行った.各種ファイルシステムにおいて,本手法を評価し,HDDのスピンダウンによりエネルギー効率が改善されることを確認した.Solid-State Drive (SSD) takes higher performance at random accesses and consumes lower power than Hard-Disk Drive (HDD). However, SSD is more cost per bytes than HDDs. Therefore, implementing the cost-effective method using SSD is needed. This paper proposes the power control system of HDD added to SSD disk-cache system. The system uses SSD as HDD disk block. The system detects idle time of HDD and spindown HDD automatically. The disk cache system implementation uses block device driver in Linux. The evaluation results in the SSD cache on some filesystems show that if the SSD cache is working effectively, energy efficiency is improved.