著者
今城 尚久
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.824-829, 1994-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
10

電気は,明かり,熱,動力そして情報,通信など私たちの暮らしになくてはならないエネルギーとなっており,今後もその使用量は着実に増えていくものと考えられている.このために,電力の発生,輸送および使用の各分野で効率の向上が求められている.これまで需要の増大に対応することを目的に種々の損失低減技術が開発されてきた.まず始めに,先人の開発した三相交流送電方式が,帰路導体を省略したことで資源とその抵抗損の節約という基本的な損失低減であることに気づく.そして送電損失の低減は抵抗損の低減という目的のために超高圧および超々高圧送電が開発されてきたこと,また都市部で必要な高電圧ケーブルでは誘電体損の低減も重要なことを示す.