著者
今村 洋介
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.442-449, 2013-07-05 (Released:2019-10-17)
参考文献数
8

M理論は弦理論を統合する基本的な理論と期待されており,M2ブレーンと呼ばれる膜状の物体を基本的構成要素として含む.M理論はいまだその量子論的な定義が知られておらず,M2ブレーンの振る舞いについても理解されていないことが多い.AdS/CFTと呼ばれる双対性を用いることで,N枚重ねたM2ブレーンの自由エネルギーがO(N^<3/2>)に比例することが以前から知られていたが,最近になってようやくこの予言がM2ブレーン上の低エネルギーの励起を表す模型として提案されたABJM模型によって確認された.M2ブレーン,ABJM模型,そして自由エネルギーの計算に用いられる局所化の方法について解説する.
著者
今村 洋介
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.187-270, 1998-02-20

ここ数年の弦理論における進展によって、D-braneと呼ばれる広がりを持ったobjectの存在、及びM-theoryと呼ばれる11次元の理論と弦理論との関係などが明らかになった。いくつかの弦理論やM-theoryをつなぐdualityを用いれば、古典的な考察からこれらの理論に現れるtensionやcoupling constantなどの量を決める事ができる。これはそれらの量を数係数まで含めて決める事に主眼をおいてまとめたreviewです。