著者
仲村 彰
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.189-195, 2009-06-15 (Released:2010-11-11)
参考文献数
12

これまでの射出脱出に関する研究の多くは,射出時の受傷部位やその程度に関する研究が多いことから,2名搭乗している航空機においてもそれぞれ搭乗者を個別に扱っており,2名の搭乗者をグループとして扱った研究はほとんどない.そこで,本研究は2名の操縦者をグループとして扱い,射出脱出時の行動の特徴を認識するために行われた.その方法として,2名操縦者が搭乗した射出脱出事例から操縦者それぞれの射出脱出タイミング,射出脱出シークエンス,射出脱出に関するコミュニケーションを抽出し,分析を行った.その結果,先に副操縦士が脱出する場合,その脱出判断は機長の指示に依存していることの他,機長が後に脱出する理由として,回復操作等の物理的被害回避だけでなくもう1名の操縦士の脱出確認といった責任者的行動が見られたこと,デュアル・イジェクションにおけるコミュニケーションの問題等2名搭乗した場合特有の現象も確認された.
著者
仲村 彰
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 = The Japanese journal of ergonomics (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.189-195, 2009-06-15

これまでの射出脱出に関する研究の多くは,射出時の受傷部位やその程度に関する研究が多いことから,2名搭乗している航空機においてもそれぞれ搭乗者を個別に扱っており,2名の搭乗者をグループとして扱った研究はほとんどない.そこで,本研究は2名の操縦者をグループとして扱い,射出脱出時の行動の特徴を認識するために行われた.その方法として,2名操縦者が搭乗した射出脱出事例から操縦者それぞれの射出脱出タイミング,射出脱出シークエンス,射出脱出に関するコミュニケーションを抽出し,分析を行った.その結果,先に副操縦士が脱出する場合,その脱出判断は機長の指示に依存していることの他,機長が後に脱出する理由として,回復操作等の物理的被害回避だけでなくもう1名の操縦士の脱出確認といった責任者的行動が見られたこと,デュアル・イジェクションにおけるコミュニケーションの問題等2名搭乗した場合特有の現象も確認された.