著者
片山 裕之 赤坂 正秀 仲野 義文
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

鉱石に関する地学的なデータと、古文書等に記載された当時の選鉱や製錬の技術、経済性、社会的な背景などを結び付けて、17~19世紀を対象に、石見銀山での銀生産が環境に及ぼした悪影響が小さかったことの原因の解明を行った。用いられた鉱石が、18世紀はじめまで(福石鉱床)と、18世紀中盤以降(永久鉱床)で異なるが、結果として環境への悪影響が少なかった理由として共通的に言えることは、資源を大事に扱う手の込んだ作業と、江戸幕府統括下での鉱山間の技術交流であり、同時代の他の国と異なる日本のよさが発揮されたことにある。