著者
高須 晃 亀井 淳志 ロザー バリー 赤坂 正秀 大平 寛人 KABIR M.F. OROZBAEV. R. JAVKHALAN O. 松浦 弘明 貝沼 雅亮
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

三波川帯のエクロジャイトの変成作用は,①高温型変成作用イベント,②2回のエクロジャイト相変成作用イベント,そして③藍閃石片岩相-緑れん石角閃岩相変成作用イベントの4回の変成イベントが認められる.これらの変成作用は120-90 Maの比較的短時間に,海洋プレートの沈み込みの開始(大陸側プレートによる接触変成作用),沈み込みの継続(地温勾配の低下による低温エクロジャイト変成作用)海嶺の接近(地温勾配の上昇による高温エクロジャイト変成作用)そして海嶺の沈み込み(狭義の三波川変成作用と変成帯全体の上昇)によって説明できる.
著者
田崎 和江 赤坂 正秀 石田 秀樹 三瓶 良和 石賀 裕明
出版者
金沢大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

汚染された環境を浄化する方法として,物理学的に取り除く方法,化学反応により無害化する方法,そしてバクテリアなどの生物機能を活用して回復する方法がある.特に,生物機能を利用して浄化するバイオレメデイエーションは,浄化に長期間を要する汚染に対して二次汚染のない有効な方法である.単純な組織構造を有しているバクテリアは,汚染環境から有害物質を細胞内に取り込み,固定して,各種の生体鉱物を細胞内外に生成する働きがある.この生体鉱物化作用のメカニズムを解明し,汚染された環境の浄化に役立てることが本研究の目的であった.本研究補助金で購入した位相差偏光顕微鏡や低真空走査型電子顕微鏡を用いて,地球上の様々な環境(鉱山,鉱床,温泉,間欠泉,汚染土壌,湖沼堆積物,風化花崗岩,活性汚泥など)からFe,Mn,Zn,Cu,U,Cdなどの元素を持つバクテリアが細胞内に生体鉱物を生成している例を数多く発見した.特に,室内実験からMnやFe,イオンがバクテリアの細胞に取り込まれ,マンガンノジュールを形成する過程を透過型電子顕微鏡観察により明らかにすることができた.また,XRD,XRF,EDX,FT‐IR,ESCAなどの方法も用い,この生体鉱物化作用を総合的にとらえそのメカニズムを明かにした.3年間の研究成果は,国内および国際学会で発表し,論文も学術誌に多数公表した.
著者
片山 裕之 赤坂 正秀 仲野 義文
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

鉱石に関する地学的なデータと、古文書等に記載された当時の選鉱や製錬の技術、経済性、社会的な背景などを結び付けて、17~19世紀を対象に、石見銀山での銀生産が環境に及ぼした悪影響が小さかったことの原因の解明を行った。用いられた鉱石が、18世紀はじめまで(福石鉱床)と、18世紀中盤以降(永久鉱床)で異なるが、結果として環境への悪影響が少なかった理由として共通的に言えることは、資源を大事に扱う手の込んだ作業と、江戸幕府統括下での鉱山間の技術交流であり、同時代の他の国と異なる日本のよさが発揮されたことにある。