著者
伊勢 昇
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.A_59-A_64, 2016

近年、運転免許を自主返納した高齢者に対して様々な特典を供与する取り組みが各地で行われている。 その一方で、運転免許返納を促進するための要因(居住地立地条件や個人属性等)も明らかになりつつある。しかしながら、運転免許自主返納特典ニーズと運転免許保有者特性との関連については明らかにされておらず、地域特性を考慮した運転免許自主返納支援事業の検討を行う上で十分な知見が得られていない。 そこで、本研究では、交通事故の減少に加えて、環境負荷の低減、公共交通の活性化につながる可能性を勘案して、幅広い年齢層の運転免許保有者に着目し、運転免許自主返納特典ニーズと運転免許保有者特性との関連分析を行うことで、地域に適した運転免許自主返納支援事業の選択や新たな支援事業の展開に資することを主たる目的とする
著者
稲垣 健太 落合 信靖 平岡 祐 伊勢 昇平 嶋田 洋平
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.232-237, 2022 (Released:2022-12-16)
参考文献数
10

【目的】上腕骨外側上顆炎(LE)におけるECRB起始部,滑膜ひだのMRI所見について評価/分類すること.【方法】治療前MRIを撮影した191例210肘を対象とした.ECRB起始部をT2強調/脂肪抑制プロトン密度強調(PDFS)冠状断像にて評価し,信号変化の有無/範囲で分類した.滑膜ひだの有無をT2強調冠状断/矢状断像にて評価し,先端の形状と長さで分類した.MRI所見と臨床所見を比較した.【結果】ECRB起始部信号変化はPDFSで205肘(97.6%),T2強調像で170肘(81.0%)に認めた.滑膜ひだは188肘(89.5%)に認め,形状がdullなものが77肘(36.7%),長さが1/3以上のものが71肘(33.8%)であった.MRI所見と臨床所見に関連はなかった.【考察】LEでは高率にECRB起始部信号変化と滑膜ひだを認めるが臨床所見とは関連せず,MRI所見に捉われすぎない必要がある.
著者
柳原 崇男 高橋 治暉 伊勢 昇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00066, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
20

近年,我が国の総人口は減少傾向にある一方,65歳以上の高齢者人口は増加傾向にある.交通行動と健康に関する既往研究では,公共交通を利用すると歩行量が多く,健康への貢献があるとしている.しかし,実際に地域公共交通を対象として,医療費抑制効果を算出した例はほとんどない.本研究では,公共交通利用における歩行量データから医療費抑制効果検討した.本研究では,国土交通省のガイドラインの方法を用いて乗り合いタクシー利用による医療費抑制効果の算出を試みた.1日の歩行データから,乗り合いタクシー利用のみの効果を算出することは困難であり,公共交通利用による歩行増加量から算出した医療費抑制費から利用割合を乗じ算出したところ,乗り合いタクシー利用により約6,101円/年/人の医療費抑制効果があることがわかった.
著者
伊勢 昇
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.A_26-A_31, 2015-02-06 (Released:2015-02-06)
参考文献数
10

近年、我が国の地方部を中心に深刻化しつつある買い物弱者問題は、地域レベルでの対応が求められる非常に重要な課題である。それゆえ、これまでに地域レベルでの買い物弱者人口推計手法の確立のための基礎的研究が進められてきた。しかしながら、地域に合った買い物支援策を検討する上では、買い物弱者数に加えて、買い物弱者の種々の買い物支援策に対する需要量とそれによって得られる利益の推計が必要であると考えられる。そこで、本研究では、個人属性と地域特性を考慮した買い物弱者の買い物支援策(買い物行動様式)の利用頻度及び支払意思額に関する要因分析を行うことで、種々の買い物支援策の需要量とそれに伴う利益に関する推計手法確立のための基礎的知見を得ることを主たる目的とした。