著者
伊勢崎 美和 高野 和美 望月 優子
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 = 山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.71-75, 1999

高齢患者のQOL(Quality of Life;生活の質)が満たされていることが重要であると言われているが,今回QOLのうち,特に主観的幸福感とADL(Activities of daily living;日常生活動作)との関係を明らかにするために,以下の調査を行った。方法は,本学医学部附属病院に入院あるいは通院中の,60歳以上の男女36 名を対象とし,QOLすなわち主観的幸福感にはPGC-L スケール,LSI-K スケール,ADLの評価には日常生活動作テストの尺度を用いて,面接法で実施した。その結果,主観的幸福感はADL(更衣動作と食事動作)と本人の楽観的な考え方と関係していた。更に,主観的幸福感はADLの更衣動作と負の関係であったことから,医療者の関わりが反映しやすいことが考えられる。