- 著者
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中村 直人
徐 国偉
伊吹 潤
松井 くにお
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.52, pp.287-288, 1996-03-06
従来,片仮名表記の揺れ誤りや仮名漢字変換誤りなど単語の綴り誤りに対して,それぞれ校正処理の枠組が提案されている.Joynerではこれらの誤りを単一の枠組で扱うことを試みた.Joynerの処理手順は,文に含まれる各種単語の綴り誤りの検出と候補の推定を行ない,推定した候補を原文の別綴り可能性(綴り曖昧さ)とする.そして,文の綴り曖昧さの中から最尤解を探索し(正解語探索),最尤解の綴りが原文と異なる時に,原文に綴り誤りがあると推定する.綴り曖昧さのある文の最尤解釈の探索は,文字認識の分野で文字切り出し曖昧さの処理として検討され,2端子グラフ(ラティス)の最短経路を求める動的計画法で処理できることが知られている.これをJoynerに適用し,動的計画法の一種であるCYK法で実現した.本稿では,校正支援のためのラティスをCYK法で処理する方法についてJoynerでの実現を中心に報告する.